海上自衛隊の護衛艦「さざなみ」が25日、中国と台湾の間の台湾海峡を通過したことが政府関係者への取材でわかった。海自の護衛艦が台湾海峡を通過するのは初めて。領空侵犯など日本周辺での軍事活動を活発化させている中国を牽制(けんせい)する狙いがあるとみられる。
複数の政府関係者によると、さざなみは25日に東シナ海から南に向けて台湾海峡を進み、南シナ海へ抜けた。同じくオーストラリアとニュージーランドの海軍艦艇も通過したという。海自は南シナ海で近く両国海軍との多国間訓練を予定している。
欧米諸国は台湾海峡を自由に通行できる国際水域と位置づけ、「航行の自由」を主張し軍艦をたびたび通過させている。ただ、中国がそれに反発していることを踏まえ、海自艦艇は海峡の航行を控えてきた。
日本周辺では8月以降、中国軍が動きを活発化させている。8月26日には情報収集機が長崎県沖で初めて日本領空を侵犯し、同31日には測量艦が鹿児島沖で領海に侵入。9月18日には空母「遼寧」が沖縄県の与那国島と西表島の間を通過した際、空母としては初めて日本の接続水域に入った。(矢島大輔)
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