次期衆院選小選挙区の候補者を発表し、記者会見で「総選挙の最大の焦点は共産党がどこまで得票と議席を伸ばせるかだ」と述べる共産党福岡県委員会の内田裕委員長=福岡市博多区で2024年9月26日午後2時20分、竹林静撮影

 共産党福岡県委員会は26日、次期衆院選で県内全11選挙区のうち、社民党が候補者を擁立する福岡4、11区を除く9選挙区で候補者を擁立すると発表した。公認候補は前回の2021年衆院選の4人から倍増する。立憲民主党の野田佳彦新代表が共産と連立政権を組めないとした発言などを受け、立憲などとの野党共闘は困難との見方を示した。

 内田裕委員長は26日の記者会見で「野党共闘を追求する方針はいささかも変更はない」とした上で、「立憲が野党共闘に消極的な態度を取っている」と指摘。野田新代表が集団的自衛権行使を可能にする安全保障関連法について「すぐに廃止できない」と述べたことに触れ、「安保法制廃止は野党共闘の一丁目一番地。原点を否定することは野党共闘の土台が崩れかねない重大問題だ」と批判した。

 立憲の野田新代表が連携を模索する日本維新の会については「自民党の補完勢力で野党ではない」と言及。「共産党が得票と議席を伸ばすことこそが野党共闘の再構築の道で、党の躍進を前面にした選挙戦になる点が(前回選との)大きな違いだ」と語った。

 衆院選での目標は比例票が県内26万票、九州・沖縄ブロックで65万票と2議席の獲得を掲げ「比例を軸に戦うことは今回も変わらない」とした。社民は福岡1区にも擁立する。

 26日に擁立を発表したのは、福岡5区に元春日市議の村山正美氏(79)▽同8区に元直方市議の河野祥子氏(44)▽同9区に党県委員の山田博敏氏(62)▽同10区に元看護師の一ノ瀬小夜子氏(75)――の計4人。同7区の候補者は近く正式発表する。【竹林静】

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