広瀬めぐみ氏の議員辞職に伴う参議院岩手選挙区の補欠選挙は、10月27日の投開票まであと1カ月です。

岩手県内では過去に例がない形での補欠選挙となりますが、これまでの動きなどをまとめます。
この補欠選挙には4人が出馬を表明しています。

立候補の意向を表明しているのは、立憲民主党の元議員・木戸口英司氏(61)、政治団体代表の新人・小田々豊氏(69)、無所属の新人で元滝沢市議の田中亜弓氏(53)、幸福実現党の新人・松島弘典氏(67)の4人です。

そもそも今回の補欠選挙は、自民党の議員だった広瀬めぐみ氏が公設秘書の給与をめぐる詐欺事件で在宅起訴され、辞職したことに伴い実施されます。

参議院岩手選挙区の補欠選挙は過去に3回行われていますが、いずれも現職議員の死去に伴うもので、議員辞職によって実施されるのは今回が初めてとなります。

今回の事件では県民からも失望の声が聞かれました。
広瀬めぐみ氏は2022年の参院選で初めて出馬し、現職だった立憲民主党の木戸口英司氏を破り、自民党として30年ぶりに議席を獲得しました。

しかし今回の詐欺事件を受け自民党の県連は、8月の総務会で補欠選挙に候補者を擁立しないことを決めました。

自民党県連 臼澤勉幹事長
「今回、広瀬めぐみ氏が議員辞職にいたった責任を踏まえ、けじめをつけるべく候補者の擁立を見送る方針について了承いただいた」

自民党県連としては、近く行われるとされる衆院選に向けて、広瀬氏の事件の影響を少しでも薄めたいという意向があり、その衆院選に向け体制の立て直しを図りたいとしています。

一方、立憲民主党の県連は9月7日の常任幹事会で木戸口英司氏の擁立を決めました。

木戸口氏は花巻市出身の61歳、県議などを経て2016年の参院選で初当選。
2022年の選挙では広瀬氏に約2万2000票の差で敗れましたが、今回再挑戦することになりました。

立憲・元 木戸口英司氏(61)
「岩手を守り日本を変える。このメッセージがしっかりと伝わり多くの皆さまに支持をいただけるようしっかりと選挙戦に向かっていきたい」

県連では、木戸口氏について過去2回の参院選で野党共闘で戦った実績を生かし、今回も野党共闘で勝利を収め、衆院選につなげたい考えです。

県連では今後、共産・国民民主・社民の県組織と協議する方向で調整しているということです。

そして参院補選には、木戸口氏のほかに新人3人が出馬を表明しています。

最初に出馬を表明したのは高知県在住の会社役員・小田々豊氏69歳です。
自身が立ち上げた政治団体「世問う国民党」の代表を務めています。

諸派・新 小田々豊氏(69)
「私たちの目指す社会は多極分散社会。一極集中ではなく。多様な地方が全国にあり平等に競争しながら育つ社会を目指す」

次に出馬を表明したのは無所属の田中亜弓氏53歳です。
田中氏は福井県出身で2014年に岩手県に移住し動物愛護団体「ペットの里」の代表理事に就任。
2022年に滝沢市議の補欠選挙で初当選し、2023年は県議選に立候補して落選しています。

無所属・新 田中亜弓氏(53)
「やはり高齢者が元気に頑張っていただかないといけないと感じている。そこに犬や猫が役に立てるのではないか」

そして9月25日に出馬を表明したのが幸福実現党総務会長の松島弘典氏67歳です。
松島氏は盛岡市出身で商社への勤務を経て宗教法人幸福の科学に入りました。
参院選には2013年に千葉選挙区、2019年に比例代表で出馬しいずれも落選しています。

幸福実現党・新人 松島弘典氏(67) 
「小さな政府で自由な大国を目指す。その趣旨で幸福実現党ができた。岩手から国の方に仕事をさせていただきたい」

この参議院の補欠選挙と衆議院選挙が同じ日に行われる可能性も取りざたされています。
27日に事実上の新しい総理大臣を決める自民党の総裁選の投開票が行われます。
誰が新総裁となるかにもよりますが、衆議院の解散総選挙は最短で10月27日となる可能性があります。

参院補選と同日選になった場合、与党は衆院選に集中できる一方、野党は両方に力を注ぐ必要があるなど様々な影響が考えられ、27日の新総裁の発言に注目されます。

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