今、国会で異例のスピード審議が進んでいるのが離婚後の家族の在り方を巡る法案です。町で聞いてみました。そもそもこの話、知っていましたか。

■“離婚後の家族”異例のスピード審議

離婚した30代の人(娘22歳)
「(元夫に)髪の毛をつかまれて引きずり回されたり、殴られたり、蹴られたり、一方的に。離婚しようと思って話を出した」

 ただでさえ人間関係がこじれる離婚。問題は子どもです。

離婚した30代の人(娘22歳)
「シングル(マザー)になったのは娘が2歳の時。1人で育てるのに、色々大変だった」

 離婚したら元夫婦のどちらかが成人するまで面倒を見る「親権」。これを父親と母親が協議したうえで共同で親権を持てるように法律を変える審議が行われています。

30代の人
「離婚して、子どものためを思ったとしても、自分が嫌だとしたら縁を切りたい」

知人男性が離婚
「(友人の)元妻が『親権を絶対、渡さない』『子どもを家から出さない』『連れて行ったら自殺する』と泥沼と聞いている。(共同親権は)慎重に議論する必要がある」

 子どもを巡る法案だけに様々なケースが想定され、国会は紛糾しています。

立憲民主党 枝野衆院議員
「父母間で円滑なコミュニケーションが取れなくなったから離婚するケースが圧倒的多数」

小泉法務大臣
「親の離婚=親子の断絶をイコールにしていくことについての問題意識から議論が始められてきた」

立憲民主党 枝野衆院議員
「(子どもが)早く手術したほうがいい。こうしたケースでなかなか父母がコミュニケーションが取れない」

法務省 民事局長
「当該手術の緊急性によるのではないか」

 高校の無償化については…。

文部科学省
「親権者、2人分の所得で判定することになります。保護者の一方がDVや児童虐待などにより、就学に要する経費の負担を求めることが困難な場合、共同親権か否かにかかわらず同様(親権者1人)の判定を行う」

 共同親権の場合、離婚後も元夫婦の収入が合算され、支援金が受けられないケースが出てくる恐れも。

 先週始まった審議は12日に決着を迎える見込みです。わずか10日余りのスピード審議です。

30代の人
「(Q.国会で審議されているのは?)全然知らない」
50代の人
「知りませんでした」
20代の人
「ちょっと早いなと思いました。大事なことなので周りの意見も反映して、慎重に決めてもらえると」

 小泉大臣は「離婚後も双方が適切な形で子どもの養育に関わり、責任を果たすことが重要だ」と法案の必要性を強調しています。

 立憲民主党は、問題点は山積みだとして修正案を与党側に提出していて、引き続き協議したい考えです。

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