福島県白河市議会は24日、議会事務局の女性職員にストーカー行為やパワーハラスメント行為を繰り返していたとして、北野唯道議員(84)に対する辞任勧告決議案を可決した。病気を理由に欠席した北野氏を除き、出席した22人全員が賛成。北野氏は毎日新聞の電話取材に、一連の行為について「事実無根」と否定し、議員を続ける意向を示した。
北野氏は旧大信村議1期を経て、白河市議4期目。市議会は3月5日から計8回の政治倫理審査会を開き、報告書をまとめた。
報告書によると、北野氏は議会事務局で勤務中の女性職員に個人的な手紙を渡したほか、プレゼントなどを自宅に届けていた。女性の携帯電話などにも執拗(しつよう)に電話し、ストーカー規制法に基づく指導を警察から受けていた。業務内容に関しても、女性を大声で怒鳴りつけた行為などをパワハラと認定した。
一方、北野氏は市議会に提出した弁明書で「辞職勧告は私の名誉が許さない」「議会事務局の故意による作文で事実が歪曲(わいきょく)されて、審査されている」などと反論。24日の毎日新聞の電話取材に対して「ストーカーの認識はない。職員に向かっても確かに大声は出したが規律を説いた意図で、パワハラではない」と否定。今後も「市民のため」に議員を続ける意向を強調した。
報道陣の取材に応じた筒井孝充議長によると、女性職員は既に別の部署に異動しており、心的疲労で医療機関を受診はしたが、休職はしていないという。今後の市議会の対応について「速やかに議員に関するパワハラ規制の条例を制定し、全ての議員が襟を正す姿勢を市民に示し信頼回復に努めていきたい」と話した。
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