自民党北海道9区支部(支部長代行・藤沢澄雄道議)は29日、次期衆院選で選挙区の公認候補となる新支部長候補に経営コンサルタント会社長の松下英樹氏(34)を選んだ。8日の選考委員会でいったん松下氏を含む3氏を支部長候補として党本部への推薦を決めたが、党道連の指導や選考過程で異議申し立てがあり、改めて投票して決めた。

 松下氏は広島市出身で、東京都在住。自民党の石破茂・新総裁と同じ慶応義塾大卒。登別市でアドベンチャートラベル関連の会社経営にも携わっている。8日の選考委では「自民党に厳しい目が向けられているが、それでもなお自民党だからこそ取り組める、守れるものがある。わが国の長い歴史と伝統を尊重しつつ、現代社会の課題に柔軟に対応して持続的な成長、国民の幸福を追求する政治を目指す」と所信を述べた。

 この日の投票は39人の委員全員が直接もしくは郵送で参加。4人が棄権し、投票総数35票のうち、1票は白紙だった。選考委は非公開で行われ、終了後に取材に応じた支部幹事長の千葉英也道議によると、選考委で票数は非公開とすると合意したという。9区には、ほかに立憲民主党現職の山岡達丸氏(45)、共産党新顔の立野広志氏(67)も立候補を表明している。

 今回の選考では、最終選考に残った3氏を支部長候補として党道連に推薦したものの再考を促された。さらに選考委で委員を務める道議の一人が、特定の人物を名指しして「支部長に不適格だ」などの発言が、結果に影響を及ぼしたと疑念が出て再投票を行うことになった。支部長代行の藤沢澄雄道議が「納得がいかない」として選考委のとりまとめ役を辞任する事態にも発展した。(松本英仁)

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。