関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)が24日、東京都内で講演し、2025年大阪・関西万博の運営費が赤字になった場合の対応について、「万博は国家プロジェクトだ」と述べ、一部で出ている地元が赤字を穴埋めする案を牽制(けんせい)した。全国的な万博の機運醸成に懸念があるとし、出席した財界関係者らに東京での盛り上げへの協力を呼びかけた。
万博運営をめぐっては、元大阪府知事の橋下徹氏が大阪府市による赤字負担を提案したが、吉村洋文府知事は府市による穴埋めの可能性を否定。府市と経済界で協議し、誰が負担するかを事前に決めるべきだとの考えを示している。
この日、財界人向けのセミナーで講演した松本氏は、万博が赤字になった場合の対応を問われ、「万博は国家プロジェクトであり、大阪のプロジェクトではない」と強調した。
万博の運営費は入場券の売り上げで賄うことになっていることから、安定的に運営するためにも、前売りの販売目標の1400万枚達成が重要になると指摘。全国的に万博に向けた機運を高める必要があるとし、「機運醸成は非常に難儀」と述べ、会場の財界関係者らに協力を要請した。
万博開催地の人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市)での海外パビリオンなどの工事進捗(しんちょく)にも触れ、「完全に遅れている。パビリオンは10月末までに外形を整える必要がある。(期限は)本当は7月だったのに、どうしようもない状態だ」とこぼした。(井上浩平)
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