総理就任を前に異例の解散宣言。なぜ、ここまで解散を急ぐのか?その背景には無視できない存在がいるようなんです。
■就任前の“異例の解散表明”なぜ
自民党 石破茂新総裁(67)「10月1日、国会の首班指名で内閣総理大臣に選出されれば、直ちに組閣を行い、政権を発足させたいと考えております。新政権はできる限り早期に国民の審判を受けることが重要であると考えており、諸条件が整えば、10月27日に解散・総選挙を行いたいと考えております」
前代未聞。まだ総理大臣に就任していない自民党の石破総裁が衆議院の解散・総選挙を表明しました。
自民党 石破茂新総裁(67)「(Q.解散権を持つ総理に就任される前だが、適切とお考えでしょうか?)いま内閣総理大臣でないものが、このようなことを行いますのは、かなり異例なことであることは承知を致しております。従いまして『されれば』と申し上げました。これが不適切なものだと考えているわけではございません」 10月1日、召集される臨時国会で総理大臣に指名される石破総裁。 4日に衆参両院で所信表明演説を行い、7日から各党の代表質問を行う見通しです。
その後、予算委員会は開かずに党首討論を行い、9日にも衆議院の解散に踏み切る考えです。衆議院選挙は15日公示、27日投開票となりそうです。
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■10月27日解散・総選挙へ 急いだワケ■10月27日解散・総選挙へ 急いだワケ
いったいなぜ、総理大臣就任前に表明したのでしょうか?
自民党 石破茂新総裁(67)「全国の選挙管理委員会などの選挙準備の観点から、本日、表明をさせていただくものであります」 各自治体などが早めに選挙準備に入れるよう配慮したと説明。
その一方で、「失点を見せたくない」「期待感があるうちに選挙をしたい」という自民党の事情がありました。
自民党 閣僚経験者「解散はボロが出る前になるべく早くと思ったんだろう。石破さんの政策討論をよく見返すとわかる。論点の提示ばかりで解決策は示せない。あんな答弁を連日テレビで流されたら、評判が落ちる一方だ。早めに解散してくれたほうが党のためだ」
石破総裁には、衆議院選挙で国民の信任を得て政権基盤を強化する狙いがあるほか、新しい大臣らの失言を避けるため、予算委員会を開かず、党首討論をして早期解散に踏み切ります。
早期解散に野党は揃って反対しています。
立憲民主党 野田代表(67)「今までご本人が国会の中で与野党の論戦があって、国民に対して判断材料を提供してから信を問うと言ってたはずなのに、しかもまだ内閣総理大臣になる前に、もう解散の話をするというのは、私は不見識極まりないと。国会軽視だと思っています」
立憲、維新、共産、国民民主、教育無償化を実現する会、れいわ、社民などの国対委員長が会談を行い、能登半島地震や豪雨災害の復旧・復興に向けて政府が補正予算を編成することや、いわゆる「裏金議員」が国会で説明すること、また、旧統一教会問題を巡って自民党に再調査を求めていくことで一致しました。
9月30日、党4役の新しい顔ぶれが決まった自民党。選挙対策委員長という大役は、小泉進次郎元環境大臣に任されました。 自民党 小泉新選対委員長(43)「石破新総裁が訴えてこられた政策も含めて、国民の皆さんに審判を仰ぐ。その基盤の上に、政権を進めて政策を前に進めていきたいという、まさに信頼回復をしっかりと国民の皆さんと共にスタートしたい。そういった思いだと私は受け止めております。そのための一員としてしっかりと頑張ってまいります」
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■「石破ショック」円高・株価安に■「石破ショック」円高・株価安に
一方、金融市場では“石破ショック”が起きたという声もあがります。
総裁選1回目の投票で、利上げに否定的な高市氏が1位になると、為替は1ドル146円台に。しかし、決選投票で石破氏が逆転勝利すると、一気に142円台まで円高が進みました。
さらに、週明けの日経平均株価も下げ幅は一時、2000円を超えました。
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