岸田文雄内閣は1日午前に開いた閣議で総辞職した。2021年10月4日に就任し、在任日数は1094日間だった。岸信介氏に続き戦後35人の首相のうち8番目だった。
岸田政権は厳しい安全保障環境を踏まえ防衛費を国内総生産(GDP)比2%まで増やすと決めた。相手のミサイル発射拠点をたたく「反撃能力」の保有にも乗り出した。
バイデン米大統領と信頼関係を築き、24年4月に国賓待遇で訪米した。歴史問題で停滞していた日韓関係も改善させた。ロシアによるウクライナ侵略には米欧と協調し、グローバルサウスとよばれる新興・途上国のつなぎ留めに役割を果たした。
23年5月には地元・広島市で開いた主要7カ国首脳会議(G7広島サミット)の議長を務め、ウクライナのゼレンスキー大統領を招いた。
経済は成長と分配の好循環をめざす「新しい資本主義」を掲げて24年春季労使交渉は33年ぶりの高水準となる賃上げ率になった。
少子化対策は年3.6兆円規模の上積みを決め、10月からは児童手当を拡充する。保護者の就労を問わない「こども誰でも通園制度」を創設した。
エネルギー分野では東日本大震災以来の原子力政策を転換した。次世代革新炉を開発・増設し、原発の運転期間の延長も決めた。脱炭素に向け国費20兆円を投じてグリーントランスフォーメーション(GX)を推進する計画も着手した。
鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。