岸田文雄内閣の総辞職に伴いデジタル大臣を退任した河野太郎氏は1日の会見で、自身が推し進めてきたマイナ保険証の政策の今後の展開を問われ、「特に変わることはないと思っている」と述べた。(マイナ保険証取材班)

1日の会見で質問に答える河野太郎デジタル相(デジタル庁の会見動画のスクリーンショット)

◆後任へは「安心してお任せ」

河野氏は2022年8月にデジタル大臣に就任。自身の業績を振り返り、「それなりに軌道に乗せることができたのではないか」と話した。 後任と報じられている平将明・自民党広報本部長代理を「非常にデジタル関係に詳しく、党内でデジタル庁を支えてくれた人。安心してお任せできる」と評価し、「ぜひ、バトンをもらった瞬間からフルスピードで走ってもらいたい」と期待を示した。 河野氏は「非常にいい人に引き継げるので、スピードを落とさずに頑張ってくれるだろうと思う。日本のデジタル化はもう少ししっかり進めていく必要がある。当面はスマートフォンがいろいろな行政のデジタル化の入口になる。『スマホでこんな便利なことができる』というのをしっかり伝えると同時に、デジタルの使い方をアナログで広めていくことが大切だ」とした。

◆廃止の経緯は不明のまま…

マイナンバーカードの普及に力を注いだ河野氏は2022年10月、「24年度秋に現行の保険証の廃止を目指す」と表明。現行保険証の選択の余地も残すとしていた政府の閣議決定を覆し、「完全廃止」へと転換させた。 だが、東京新聞の情報公開請求や関係者への取材で、保険証廃止に至る決定経緯が分かる記録は公文書として残していないことが判明した。 前回の9月27日の会見で河野氏は、保険証廃止の方針について「大臣間で適宜、意見交換はしていた」と説明。一方で、大臣間の協議の事実を裏付ける記録は「ありません」と断言した。説明責任を問われても、「これからもさまざまな広報手段を用いて国民に対して丁寧で分かりやすい説明に努めていきたい」と述べるにとどまり、経緯の詳細は明かさなかった。 

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