石破茂・自民党総裁(67)が1日、第102代首相に選ばれた。石破内閣は日本が今、直面する課題にどんな道筋を示すのだろう。衆院選が間近に迫る中、地震と豪雨被害からの復興に立ち上がる能登半島の人々は何を望むのか。万博を控える大阪、被爆地・広島の思いは――。
2025年4月に大阪・関西万博が開幕する大阪では、新内閣に万博成功への後押しを求める声が上がった。
ミナミの千日前道具屋筋商店街で業務用食器を販売する「大阪漆器」の新藤智仁社長(39)は「会場の内外に飲食店ができて、需要が生まれると期待していたが、今のところ顧客から新たな発注はない。万博の準備が開幕に間に合うのかも心配だ」と漏らす。
インバウンド(訪日外国人客)需要は堅調で、店を訪れる客の8割ほどは外国人だという。しかし、万博は話題に上らないといい、「海外の客は万博に関心がなく、地元で盛り上げようとしても空回りしている。今のところ恩恵は感じない」と語る。
一方で、地方創生担当相を経験した石破氏には、地方活性化への期待もあるという。新藤さんは「不安材料を解消し、万博を成功させて、大阪の経済を潤してほしい」と訴えた。
大阪府の吉村洋文知事は1日、報道陣の取材に「(万博は)国家プロジェクトであり、国、大阪府・市、経済界が協力するのは当然だ。(新内閣と)成功に向けて一緒に進めていきたい」と述べた。開幕を約半年後に控える中で、万博担当相が交代したことについても「しっかり引き継ぐということなので継続性に問題はないだろう。(新担当相には)できるだけ早く現場に来てもらい、意見交換したい」と望んだ。【長沼辰哉、東久保逸夫】
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