衆院本会議で首相に指名され、一礼する自民党の石破総裁(1日)

自民党の石破茂総裁は1日、衆参両院本会議での首相指名選挙を経て、第102代首相に就任した。同日夜に組閣を終え、石破内閣を発足させた。首相就任後初の記者会見で9日に衆院を解散し、15日公示―27日投開票の日程で衆院選を実施すると正式表明する。就任から解散まで戦後最短の期間となる。

岸田文雄前首相の党総裁任期満了に伴い、およそ3年ぶりに首相が交代した。皇居での首相親任式と閣僚の認証式を経て、正式に新内閣が発足した。首相は1日夜の記者会見で政権の基本方針と解散日程などを説明する。

首相は首相指名を前に「国民に正面から向き合い誠心誠意語る。逃げない実行する内閣にする」と語った。その後、首相官邸で公明党の石井啓一代表との与党党首会談に臨んだ。

首相は4日に衆参両院で所信表明演説をし、7日から各党の代表質問を受ける。9日に党首討論を実施した後で解散する見通しだ。

9日に解散すれば首相就任から8日後にあたり、戦後最短になる。2021年10月に就任した岸田前首相の場合は10日後だったがそれより短い。

首相が早期解散に踏み切るのは、新内閣発足直後は高い支持率を期待できるためだ。解散前に党首討論を実施する見通しだが、衆参両院の予算委員会は開かない。初入閣が13人と閣僚の答弁能力は未知数で、野党との論戦を避けたいとの思惑が透ける。

首相は総裁選中に「国民に判断材料を提供するのは新首相の責任。本当のやりとりは予算委だ」と主張していた。野党は首相の方針転換に反発し、予算委開催を要求した。首相が就任前の9月30日に衆院選日程を「10月27日投開票」と表明したことも批判している。

首相は9日の解散後、ラオスで開く東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に10~11日の日程で出席する予定だ。

能登半島地震の復旧・復興や豪雨対策は24年度予算の予備費で対応する。首相は9月29日のNHK番組で「必要であれば補正予算を議論すべきだが予備費で適切に対応する」と説明していた。

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