石破内閣の発足を受け、各社の世論調査で石破内閣の支持率が明らかになりました。
共同通信の世論調査では50.7%です。
ジャーナリストの鈴木哲夫さんがこの数字のウラ側を読み解きます。
◆「数字は一気に下がった」
川崎キャスター:
石破内閣の支持率は共同通信による最新の世論調査で50.7%となりました。
最後の岸田内閣の時の数字よりはかなり伸びていますが、最近の内閣発足時の支持率を見てみると、単純比較は難しいんですけれども、まず2021年岸田内閣の発足時が55.7%、菅さんの時が66.4%、そして第2次安倍内閣ができた時が62.0%でした。
ということで、石破さんを20年間取材している鈴木哲夫さん、いま石破さんを一番知っているジャーナリストと言っていいと思うんですけども、石破内閣の支持率、低調な数字だと思うんですがいかがでしょう。
鈴木哲夫さん:
低いですよ。石破さんの側近とか今度総裁選で応援してきた人たちも期待度はやっぱり6割から7割ぐらいあるだろうと思っていた。けれども歴代と比べてこんなに低いんですよね。
総裁に決まってから世論調査までの間に一気に僕は数字が下がったと思いますね。総裁選直後に世論調査やっていればもう少し数字は高かったでしょうね。
ところがその後なぜ低くなったのか。やはり石破さんがずっと訴えてきたこと、自民党の中では「お前何言ってんだ」だけど、世論には一番近かったわけですよね。だから、みんな世論が期待していた。それは例えば、今回国会でまずしっかりと与野党で予算委員会もやって議論もしっかりやってそして解散する、と石破さんは言っていたんですよ。
ところがいきなり、もうそんなこと全部すっ飛ばして「すぐ解散総選挙」と決めた。その理由は背景に自民党の中の森山幹事長とかそういう人たちが「もう早く選挙やらないと、国会開いて裏金追及なんかされたらまた支持が下がるから、もうトントンやれ」ということを言って、石破さんはそれに流されて飲んじゃったわけです。
そしたら世論からすると「おいおい、石破さん違うじゃないか、自民党に対してもあれだけ言ってたこととやることが違うじゃないか」と。そういうことで僕はこの支持率が下がったのは「言ってたことをやらないんじゃないか」と。
◆“裏金議員”の行方は
川崎キャスター:
石破さんも党利党略かと思ってしまいますね。
そして注目したいのが世論調査での結果がもう1つあって、自民党が派閥の裏金事件に関わった議員を総選挙で公認するとした場合「それは理解できない」と答えた人が75%超えています。これも石破さんは世論との板挟みだと思うんですけど、公認をやっぱり出さざるを得ないんですか。
鈴木哲夫さん:
いや、ここは今いろいろ考えているところだと思います。
選挙期間が短いのでどこまで何を判断するかということだけど、世論からすると例えば非公認とかそういうことをしっかりやらないと「議論してちゃんと精査する」と言ってたのにこの辺がどうなのか。だから、非公認とかそういう決断ができればまた支持は変わってくるでしょうけど、ここは非常に悩んでいるところだと思いますね。
◆「今からもっと苦労する」
川崎キャスター:
なるほど、そこもブレをどうしても感じてしまいます。
そしてやはり福岡としては何といっても麻生(太郎)さんのことで、麻生さんも「犬猿の仲」だった石破さんが総理になって、党内で記念撮影を拒否するシーンがありましたね。影響力としてはどうですか。
鈴木哲夫さん:
やはりキングメーカーとしては多少存在感薄くなってきたかと思いますね。
あともう1つ、裏金議員でいうと武田(良太)さんを公認するのか非公認するのかとかも含めて、とにかく石破さんは今まで総裁じゃない時に言ってきたことが世論の支持を受けた。
それが、いざ総裁になってそれを全部何かひっくり返してるんじゃないかと。石破さんは5回目の総裁選で総裁になったんでそれはすごい苦労したけれど、今からもっと苦労するんじゃないかと思います。本当に今まで言ってきたことを有言実行できるのか選挙に向けて試される、選挙でもマイナスになる可能性はありますね。
川崎キャスター:
国民に目を向けた選挙戦を期待したいと思います。
(2024年10月3日放送「報道ワイド 記者のチカラ」より)
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