今週誕生したばかりの石破政権に対して、首相就任で、“手のひら返し”“ひょう変”と言われるほど、就任前と就任後で発言が変わっているという指摘があります。
■総裁選のときから「大幅な」発言の変化
・衆議院解散について
【就任前】「本当のやりとりは予算委員会だと思う 『すぐに解散』という言い方はしない」
【就任後】「新政権はできる限り早期に国民の審判を受けることが重要」
・「裏金議員」の公認
【就任前】「公認にふさわしいかどうか議論は徹底的に行われるべき」
【就任後】「原則公認の方向で調整 『党内融和』を優先か」
衆議院解散や裏金議員の公認について、これだけ発言が変わっているので、経済政策、安全保障、夫婦別姓はどうなっていくのか気になります。
■石破首相の本音に京大・藤井教授「最悪」と激怒
「発言の変化」について、石破首相の本音が見えた場面がありました。
今週の火曜日、各会派へのあいさつ回りで「教育無償化を実現する会」の前原誠司代表に会ったときのことです。
【前原氏】「石破カラーをちゃんと出して頑張ってください」
【石破首相】「出したらぶったたかれる…」
【前原氏】「石破カラーを出すのを国民は…」
【石破首相】「出すと国民はよろこぶ、党内は怒ると」
ついつい出てしまった石破首相の本音について、番組コメンテーターの京都大学大学院の藤井聡教授は「最悪です」と猛批判しました。
【京都大学大学院 藤井聡教授】「本音ですね。これは総理としてあるまじき本音ですね。だって『僕、政治できないんだ』って言ってるわけでしょ。
結局、石破カラーを出さない所信表明しているということは、『僕はいま国民の方じゃなく、党内を見てやってますよ』と言ったのと一緒ですから。
これは総理大臣としてあるまじき発言ですね。冗談じゃない、冗談にならない。あれはもうあの時点で僕はアウトと言ってもいいと思いますね。ビックリします。最悪ですよ!この発言」
■「“僕ら国民どうなんねん”という国民増えていく」
石破首相は本音ベースで語ってくれると思っていたのに、今まで党内野党だった人が首相になると、「これだけ変わるのか」、とギャップに違和感を感じている国民もたくさんいます。
【京都大学大学院 藤井聡教授】「今まで石破さんは判官贔屓(ほうがんびいき)で、“弱いからかわいそうや”と思っていたけど、強くなった途端に悪役側についてしまったようなもので、そしたら“僕ら国民どうなんねん”という気持ちになっている国民は、これから一気に10月27日(次の衆院選の投開票)に向けて、増えていくと思いますね。良くないですね」
■変化の背景は「党内基盤の弱さ」『木原さんみたいなブレーンもいない』
関西テレビの神崎報道デスクは、この変化の背景には「党内基盤の弱さ」があると指摘します。
【関西テレビ 神崎博報道デスク】「これまで石破首相が国民から人気があったのは、国民に寄り添っている感じで、国民が思っていることを発信されていたからです。
首相になってからは、今まで国民の方を向いていたのに、今度は自民党を向いてるような感じがします。それは1つに党内の基盤が弱いということがあって、党内に信頼できる、相談できる右腕みたいな人がなかなかいない。岸田前首相の木原さん(木原誠二元官房副長官)みたいな、ブレーンもいない」
「選挙に関して言うと、それまで石破さんは、ゆっくり予算委員会開いて議論した上で、そこで国民に色んな条件を提示した上で、解散だと言っていました。
急に10月27日に総選挙するという話になったんですけども、これも選挙を任せる幹事長に森山裕さんという、党の内外、野党も含めてパイプがいっぱいある人を起用しました。森山さんは実は党内でも有名な『早期解散論者』でした。
森山さんを幹事長に据えた時点で、『早期に解散すべきだ』と押し切られた状態になってると思います」
(関西テレビ「newsランナー」2024年10月4日放送)
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