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 引退を表明している自民党の二階俊博元幹事長(85)の後継者として、和歌山県の地元は二階氏の三男に世襲を要請しました。

■伸康氏に世襲を…町村会から出馬要請は異例

二階氏(先月25日)
「政治責任はすべて私の、監督責任者である私自身の責任にあることは当然のこと」
「(Q.後継候補については?)それは和歌山3区の皆さんが決めることです」  地元に託すとしていた後継者に選ばれたのは、若き日の二階氏を彷彿(ほうふつ)とさせるこの人でした。  和歌山県町村会は、全会一致で自民党の重鎮・二階俊博氏の三男・伸康氏(46)に世襲を要請しました。 二階伸康氏
「本当に重く重く受け止めなければならないと考えております」

 町村会のほうから出馬を要請するのは異例だといいます。

 次期衆院選の「新・和歌山2区」といえば、父・俊博氏が負けなしで当選し続け、「二階王国」とも呼ばれる、強固な支持基盤を誇った選挙区です。

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■裏金問題は未解決も「“二階ブランド”ある」

■裏金問題は未解決も「“二階ブランド”ある」

 先月、自民党の裏金問題を巡り、二階氏は次期衆院選への不出馬を表明しました。

 ただ、二階氏自身に処分は下されず、幹事長時代の50億円に上る“使途不明の政策活動費”の実態は、いまだ不透明なままです。 共産党 小池晃書記局長
「二階さんの場合は、50億円近く出ている。使い道を明らかにできないってことは、表にできないようなやましい政治活動やってると言われても仕方ないんじゃないですか」

 「政治とカネ」の問題が未解決にもかかわらず、地元は世襲候補を選びました。番組が地元の県議を取材しました。

自民党和歌山県連の関係者
「知名度なくして票は得られない。裏金の問題もあるが、有権者には理解していただけるだろう。“二階ブランド”を出していけば、そんなに揺らぐことはない」  国会議員の世襲を巡っては、親などの政治団体の資金は子に引き継いでも、相続税や贈与税がかからないという実態もあります。 二階伸康氏
「世の中全般に世襲ということに対して、いろんなご意見があるということは当然承知をしています。皆さん、逆に注目をいただいているところだと思いますので。その点も自らの考え、そういう場になれば明らかにしたい」

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■長男・俊樹氏は出馬経験あるも「三行半?」

■長男・俊樹氏は出馬経験あるも「三行半?」

 二階氏の長男の俊樹氏は地元市長選の出馬経験もあります。なぜ三男の伸康氏だったのでしょうか。 和歌山選挙区を長年取材
ジャーナリスト 須田慎一郎氏
「2016年に(長男の俊樹氏が)地元の御坊市長選挙に出馬したんですけど、大差で敗退すると。二階さんの後ろ盾を得ながら、長男が大きく落選した。地元の町議・市議にしてみますと、長男が後継者になったとしても、とてもじゃないけど、衆議院選挙で当選することはおぼつかない。長男に三行半を突きつけて、三男を担ぎだした」  新和歌山2区では、元県議の楠本文郎氏(69)が共産党公認での出馬を表明しています。

(「グッド!モーニング」2024年4月25日放送分より)

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