衆院本会議で立憲民主・野田代表の質問に答える石破首相(7日)

石破茂首相は7日、衆院代表質問で持論のアジア版北大西洋条約機構(NATO)創設に関して「一朝一夕で実現すると思わない」と述べた。長期的な目標とする考えをにじませた。立憲民主党の野田佳彦代表への答弁。

首相は「まずは喫緊の外交・安全保障上の課題に取り組む必要がある」と強調した。「同盟国、同志国間のネットワークを有機的、重層的に構築し、抑止力を強化する観点から検討して対応する」と説明し、多国間協力に意欲を示した。

野田氏は安倍晋三元首相の経済政策に言及した。「アベノミクスを清算して、日銀と政府によるアコード(共同声明)をもう一回締結することが必要ではないか」と問いただした。共同声明は物価上昇の目標を2%としている。

首相は「アベノミクスはデフレではない状況をつくり出した」と評価した。日銀の植田和男総裁との2日の会談に触れて「連携を続けていくことを確認した」と語った。共同声明の改定は否定した。

野田氏は自民党派閥の政治資金収支報告書への不記載問題も追及した。首相は衆院選で一部の党国会議員を非公認にすると6日に明らかにした。野田氏は「大半が公認される。本当に国民の理解を得られるかどうか、よく考えてほしい」と批判した。

首相は「昨日公表した方針に基づき、公認に向けた手続きを進めている」と述べるにとどめた。不記載問題への対応は「国民の信頼を回復するために今後さらに行うべきことについて適切に判断する」と話した。

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