◆もう応援したくない。棄権する
下村博文氏(2021年撮影)
下村氏の選挙区、板橋区。都内有数の商店街「ハッピーロード大山商店街」の買い物客らからは厳しい批判が相次いだ。下村氏は党員資格停止中で、「非公認は当然。裏金への説明も不足している」と語気を強めたのは無職男性(75)。長年、自民党を支持してきたといい、下村氏について「しっかりやってくれていたと思ったのに、裏金問題はショックだった。もう応援したくない」と唇をかむ。石破首相の非公認の方針を評価しながらも、「今回の選挙は投票を棄権する」ときっぱりと話した。 買い物中だった無職女性(77)は「庶民は真面目に生きているのに裏金をつくっていたなんてあり得ない」と批判。石破首相の方針に「非公認は当たり前。しっかりやってくれた」と評価しつつも「裏金議員は全員やめてもらいたい」と不信感をあらわにした。◆裏金も宗教も地元に説明がない
萩生田光一氏(2023年撮影)
党役職停止1年の処分で、当初は公認されるとみられていた萩生田氏。選挙区の八王子市の無職男性(83)は町会で副会長をしていたとき、頻繁に祭りや会合に顔を出す萩生田氏を「小さな祭りにもまめにあいさつして大したもんだと思っていた」という。しかし世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係が明るみに出て以降、「宗教と政治の関係、裏金の話も地元には一切説明がない」と憤る。石破首相の非公認の方針には「結局は同じ穴のむじな。今の自民党のままでは世の中は変わらない」ときっぱり。 公務員の女性(51)も「八王子のために尽力してくれた政治家だと思うが、これまでの行動には不信感がいっぱい」。非公認についても妥当としながら「石破首相の見解がころころ変わって残念」と話した。◆有権者を欺いたんだから…
平沢勝栄氏(2019年撮影)
平沢氏も党役職停止で非公認の見立てはなかったが、地元の葛飾区での目線は厳しい。下町情緒があふれる立石地区で、パート黒川玉琴さん(47)は「子どもがまだ幼稚園に通っていたとき、園の行事であいさつをしてくれた。地域のために動いている印象があったのでがっかり」とため息。「党の非公認はしかるべき対応でしょう」と話した。 商店街の店主の男性(81)は「有権者を欺いたんだから非公認は当然だ」とばっさり。「裏金についてなんの説明もない。逃げ切ったら良いと思っているのでは。権力を持つと、一般の感覚とかけ離れてしまうのか。悪いことはしちゃいかん」と憤った。 ◇◆東京都連「なぜこのタイミング」
自民党派閥裏金事件で政治資金収支報告書に不記載のあった議員の衆院選を巡る党本部の対応に、東京都連では「なぜこのタイミングになったのか」と、困惑が広がった。 井上信治都連会長は7日、衆院選の立候補内定者や都議らとの会合であいさつし、「対象者の地元からも不平や不満が寄せられている。決断をするにしても、なぜもう少し早くできなかったのか」と批判した。◆「公明からの支援が…」不安視
都連はすでに内定者の公認申請を党本部に上申し、公認の正式決定を待っている状況だった。だが6日の石破茂首相の表明に伴い、都内では萩生田光一氏(24区)や平沢勝栄氏(17区)が非公認となり、不記載のあった一部の現職は公認されても、比例代表との重複立候補が認められない見通し。 別の都連幹部は「小選挙区で(当選)すれすれの候補予定者も少なくなく、比例重複ができないのは痛い。公明党からも表だっては応援を得られなくなるかもしれない」と不安視した。一方で前向きな見方も。ある都議は「複雑な思いだが、有権者の判断を仰ぐという点で踏み込んだ印象。各陣営は自分たちで何とかしないといけないと結束するかもしれない」と話した。(原田遼、井上峻輔) 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。