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 4日、石破茂総理は衆参本会議で就任後初となる所信表明演説に臨んだが、方々から野次が飛び交う結果となった。

 「日本と日本の未来を守り抜いていきます。まずは政治資金問題などを巡り、国民の政治不信を招いた事態について、深い反省と共に触れねばなりません」と語った石破総理が「そのために私は『ルールを守る』」と続けると「ルールを守れ!」という声が。

 ほかにも「約束守れ!」「まだ政治不信だぞ」「なんで裏金議員公認するんだ!」「嘘つき! 大嘘つき!」といった怒号が本会議場に響き渡った。また、「議員になる1年前の昭和60年、渡辺美智雄代議士の『政治家の仕事は勇気と真心を持って真実を語ることだ』」と石破総理が語ると「裏切ってんじゃないか!」という野次も飛んだ。

 石破総理が主張したのは「ルールを守る」「日本を守る」「国民を守る」「地方を守る」「若者・女性の機会を守る」という“5つの守る”だ。

 さらに「最低賃金の全国平均を2020年代に1500円まで引き上げ」、「防災庁の設置」、「地方創生交付金倍増」と、これらの政策にこだわりを見せたが、総裁選で主張した「アジア版NATO」「日米地位協定改正」「選択的夫婦別姓」といった政策は演説で触れられなかった。

 この所信表明演説に、立憲民主党の野田佳彦代表は「近代まれに見るスカスカの所信表明。『国民を守る』とか『地方を守る』と言っているが、まず約束を守れ」、日本維新の会の馬場伸幸代表は「薄っぺらく具体的な言及やパッションがない。『ないないづくし』の所信表明」、共産党の田村智子委員長は「あまりの中身のなさに驚いた。ただただ課題を列挙するだけの演説」と発言。

 国民民主党の玉木雄一郎代表は「石破カラーが全くなく、キレイに脱色され、無味乾燥でかんでも味がしないガムのようだった」、れいわ新選組の山本太郎代表は「日本を何とかしたいと思っている人が総理大臣になったんじゃない。総理大臣になりたい人が総理大臣になったというだけの話」、社民党の福島みずほ氏は「地方創生にしろ何にしろ抽象的なことしか言っておらず、踏み込んでいない」、参政党の神谷宗幣代表は「本当に総理大臣代わったのかな? と思うくらい目新しさはまったく感じなかった」と、それぞれが厳しい評価をしている。

 政治ジャーナリストの青山和弘氏は「今回、野次がすごかったことも1つの特徴だが、自民党側の熱量が低かったのも見ていて驚いた」とコメント。

 「小泉(純一郎)氏や安倍(晋三)氏が総理大臣になった際は、応援団が気持ち悪いくらいにワーッと盛り上げていたのに。今回、石破氏は初めて総理大臣として所信表明演説に臨んでいるからもっと自民党側が盛り上げてもいい、反論してもいいと思うが、そういう雰囲気ではなかった。まさに消去法のなかで選ばれたという、総裁選の決選投票の構図がそのまま本会議場に現れている」と分析した。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

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