石破茂首相(自民党総裁)は8日、旧安倍、旧二階両派による裏金事件を巡り、関係議員のうち計10人以上を非公認とする意向を固めた。党幹部が明らかにした。自民は9日の党選対本部会議で衆院選の1次公認を決める見通し。首相は臨時国会会期末の同日、立憲民主党の野田佳彦代表らとの党首討論に臨み、衆院を解散する。
首相は8日、自民の森山裕幹事長、小泉進次郎選対委員長と2度にわたり会談。夜の協議後、記者団に「最終調整した。(9日の)会議で決める」と述べた。
首相は裏金議員のうち、4月に党の重い処分を受けたか、現在も処分が継続している萩生田光一元政調会長ら6人を非公認とする方針。さらに、党が最近実施した衆院選の情勢調査や地元の理解も踏まえ、非公認の追加が必要と判断したとみられる。
政治資金収支報告書に不記載があった議員については、比例代表との重複立候補を認めない。対象は不出馬議員を除き、選挙区支部長を含め39人。比例単独の3人については扱いを調整している。
重複立候補の見送りで、全国11の比例ブロックで当選枠に対し候補者が不足する可能性がある。このため首相は、森山氏らに対し女性を中心に擁立を急ぐよう指示した。
一方、首相は衆院選について、首相官邸で記者団に「暮らしを守り、安全を守ることができるのはわれわれの政権だ。国民の審判を仰ぐべく全力を尽くす」と強調した。
2021年10月以来3年ぶりとなる衆院選は15日公示、27日投開票の日程で行われる。1日の石破内閣発足から8日後の解散は戦後最短。裏金事件を受けた政治の信頼回復が最大の争点で、物価高や人口減少、経済再生も論点となりそうだ。
衆院選は465議席(小選挙区289、比例176)を争い、過半数は233議席となる。与党の現有議席は自民256、公明32の計288。野党は立民98、日本維新の会40、共産10、国民民主7などとなっている。
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