宮崎県延岡市議会は4日、読谷山洋司市長の性的発言問題を調査特別委員会(百条委)で調べる決議案を賛成多数で可決した。読谷山市長はこれまで「セクハラ」の指摘に対し「ハラスメントではない」と主張。弁護士らによる第三者委員会での解明も拒んでいる。このため、強い調査権限を持つ百条委で審議されることになった。

 この発言は今春、市役所職員労働組合による職員へのアンケートで発覚した。

 読谷山市長は、部下との協議の席で発言した事実を認め「不適切」と陳謝した。しかし「怒鳴ってもおらず傷つける意図もない。就業環境が著しく害されたとは言えない」と説明。議会側は、弁護士を交えた第三者委員会での調査を求めたが、市長は「公平委員会がある」として拒んだ。

 このため、市の不祥事を巡っていま設置されている百条委の調査項目に追加する案が浮上した。提案者の宮田博徳議員(立憲民主党市議団)は「市長が第三者委を置かないなら、議会として調べる責任がある」と説明。起立多数で可決された。

 この決議案には、今年3月に起きた、議会事務局の人事を巡る当時の議長と市長の対立の解明も、調査項目として盛り込まれた。病気療養中だった議長が市長側に示した人事案の公文書に対し、市長が「捏造(ねつぞう)の疑いがある」としているため。

 この件を巡り、議会側と市長側は連日のように文書で応酬している。当時の議長だった松田満男市議は8日会見を開き、「違法なことはしていない。百条委で徹底的に調べてほしい」と述べた。(星乃勇介)

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