自民党本部=東京都千代田区で、平田明浩撮影

 自民党は、医療・介護保険の保険料の算定に、金融所得をどう反映させるか検討を始めた。一部の公的医療保険では、利子や配当など金融所得の確定申告の有無で支払う保険料が異なり、不公平だとの指摘が出ているためだ。

 25日に初会合を開いたのは、自民党の「医療・介護保険における金融所得の勘案に関するプロジェクトチーム(PT)」(座長・加藤勝信前厚生労働相)。現在、国民健康保険や75歳以上の後期高齢者医療制度、介護保険に加入している場合、上場株式の配当など金融所得の一部について保険料に反映されるのは確定申告した場合のみ。金融所得があっても確定申告をしなければ保険料に反映されず、同じ所得でも保険料に差が生じている。

 昨年12月に閣議決定した「社会保障の改革工程」では、2028年度までにこうした保険料の差の是正を検討するとしている。国保や後期高齢者医療、介護保険では、源泉徴収でも金融機関が国税庁に提出する情報で金融所得を把握できるという。事務などの仕組み作りには時間がかかるが、保険料の反映は可能という。政府・与党内では今後、保険料の差の是正に向けて検討を深める方針だ。

 サラリーマンらが加入する被用者保険については、保険料を給与所得に基づき算出し、労使折半で負担しているため、「簡単には手を出せない」(自民党厚労族議員)との声もある。金融資産の反映について今後議論する可能性もある。【神足俊輔、宇多川はるか】

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