たかまつななさん=笑下村塾提供

 石破茂首相は9日、衆院を解散した。首相就任からわずか8日後の解散をどう見るか。主権者教育に取り組む「笑下村塾(しょうかそんじゅく)」代表のたかまつななさんに聞いた。

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 この衆院解散を名付けるとすれば「先走り解散」。石破茂さんは首相になる前から解散を予告していたが、それはおかしい。何か結論を急いでいる印象を受ける。「政治とカネ」の問題をごまかそう、早く民意を得たいという心が透けて見えてしまう。

 早期解散となり、有権者は発足直後の政権の評価を迫られることになった。考える材料に乏しく、難しい判断になる。ただし、自民党総裁選や所信表明演説を通じて石破さんの考えは一定程度伝わっている。裏金問題についても、非公認を巡る石破さんの判断を「二重処分」と批判する人もいれば、世間の声を聞く人物だと感じる人もいるだろう。そこをどう評価するかだ。

 自民党と政権を争う立憲民主党の野田佳彦さんも代表に返り咲いたばかりだが、首相経験もあり、代表選を通じてどういう考え方なのかは分かる。そうしたことが投票の手がかりになるのではないか。

 一方、衆院選の投票率は低迷している。特に若者の関心が高まらず、政治家も若者向けの政策を優先的に取り組むことをしない。政治家を振り向かせるためにも、若い世代は1票を投じて存在感を示してほしい。【聞き手・小林慎】

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