茨城7区(茨城県古河市など)では「無敗の男」と呼ばれた立憲民主党の中村喜四郎元建設相(75)が引退し、長男で茨城県議の中村勇太(はやと)氏(37)が「野党系無所属」で出馬する。
喜四郎氏は当選15回。1994年にゼネコン汚職で逮捕され、自民党を離党してからも無所属で当選を重ねて「最強の無所属」などと称された。2021年の前回衆院選では立憲から出馬し、初めて選挙区で敗れて比例復活当選した。
当選の原動力は、強力な後援会「喜友会」の存在だ。勇太氏は9月26日の出馬表明時、記者会見で「喜友会が出馬を後押ししてくれた。推薦人の6、7割は喜友会」と明かした。一方、「あくまでも喜四郎のための後援会。喜友会をベースにアップデートする。後援会などは父が残してくれた財産だが、世襲なんてことを忘れるくらい誰よりも努力を重ねたい」と世襲色を薄めようとしている。
喜四郎氏は参院議員だった父親の名前を継いで改名し国会議員になった。勇太氏は「三代目喜四郎」を襲名するのか――。会見で記者から質問が飛ぶと「そんな歌舞伎役者みたいな世界があるのかとも思ったが、襲名するつもりは全くない。むしろ喜四郎という名前からいかに脱皮するかが問われている」と語った。
世襲に対し有権者の思いはさまざまだ。古河市の無職男性(79)は「喜四郎氏は長年、茨城のために働いてくれた。勇太氏にはその業績を引き継いでほしい」と応援する。一方、市内の男性会社員(61)は「世襲であることは否めない。自民党を批判するなら、喜友会に頼らない選挙に挑んでほしい」と指摘した。【堀井泰孝】
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