衆院選の全289小選挙区で、立憲民主、日本維新の会、共産など主な野党6党は全体の8割に当たる239選挙区で競合した。与党(保守系無所属含む)と野党が「一騎打ち」となるのは全体の約16%の47にとどまる。自民党の派閥裏金事件に関わった候補は45人が立候補。野党乱立で政権批判票が分散し、与党を利する可能性もある。

2021年の前回選では立民、共産の連携を軸に野党5党が213選挙区で候補を一本化し、事実上の一騎打ちは全体の約半数の142選挙区に上った。今回は保守路線を強める立民に反発した共産が積極的に擁立し、立共連携は地域事情を考慮した一部に限られた。

小選挙区に立民は207人、共産は213人をそれぞれ擁立し、142選挙区でぶつかる。維新は163人、国民は41人を立てた。

裏金事件を巡り、自民は政治資金収支報告書に不記載があった前職らのうち、重い処分を科すなどした12人の非公認を決めた。旧安倍派の幹部経験者を含む9人が無所属で出馬する一方、3人が不出馬に追い込まれた。34人は公認を得たが、比例代表との重複立候補が認められず「背水の陣」で臨む。

裏金事件で離党した世耕弘成前参院幹事長は和歌山2区から無所属でくら替え出馬し、自民新人と戦う。福島3区は非公認となった前職に代わり、前回は比例当選した前職が無所属で立候補した。

自民は266選挙区、公明は11選挙区に擁立。公明は、これまで比例代表で当選を重ねてきた石井啓一代表が初めて挑む埼玉14区と、大阪府・兵庫県の6選挙区を重視する。関西では維新が小選挙区での「すみ分け」を解消し、両党が全面対決する。

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