衆院選が15日、公示された。島根県内2小選挙区にはそれぞれ、自民、立憲民主、共産各党の3人ずつが立候補した。島根1区は4月の補選で、1996年の小選挙区制導入以降、自民が初めて議席を失った。今回、自民が巻き返すのかに注目が集まる。2区は前職に新顔2人が挑む。投開票は27日。

島根1区の候補者らの訴え

 立憲前職の亀井亜紀子氏(59)はJR松江駅前で第一声。4月の衆院補選で自民候補に勝利した理由について「一つは裏金問題だが、それだけではない」。官から民への構造改革で「負の部分が表れている」とし、JR木次線などを挙げて「どう公共交通を残すかは国が関与すべきだ」と訴えた。

 また、国会議員だった父・久興氏らが非公認にされた郵政選挙以降、自民党の中に「物言う人が少なくなった」とし、「石破首相もぶれてきた。政権交代が必要」と呼びかけた。(中川史)

 共産新顔の村穂江利子氏(56)は、松江市袖師町の党県委員会事務所前で第一声を上げた。

 村穂氏は「苦しい、不安だ、助けてほしい、政治は一体何をしているのか。こんな声が繰り返し聞こえる」とし、「政治を大もとから変えていこう」と呼びかけた。

 今回の選挙を「命、暮らし、平和がかかった選挙」と位置づけ、時給1500円、労働時間短縮、原発から自然エネルギーへのシフトなどを掲げ、「保守王国島根において大きな山を動かす」と訴えた。(堀田浩一)

 自民前職の高階恵美子氏(60)=公明推薦=は島根県庁前で出陣式。首長や議員、看護師の高階氏を支援する日本看護連盟会長らが来援した。

 高階氏は今回の選挙を、石破政権が地方創生を実現する「第一歩」と位置づけ、「一番取り組みたいのは島根を人生の満足度、幸福度ナンバーワンと言われる地域にすること」と述べた。

 変化に対応できる社会保障制度の充実も唱え、「生活者の声、暮らしの実態をしっかりと伺って、必要な改革をタイムリーに進める」と訴えた。(垣花昌弘)

島根2区の候補者らの訴え

 立憲新顔の大塚聡子氏(57)は島根県江津市役所近くの市総合市民センター駐車場で出発式に臨み、第一声を上げた。

 掲げるキャッチフレーズは「台所から日本を変える」。水道代が高いことなどに触れ、「日々暮らす中で直面する様々な課題や疑問を一つひとつ丁寧にすくい上げ、国政の場に上げていくという私の決意が込められている」と訴えた。

 また、自身の性格について「粘り強さ、しつこさだけは誰にも負けません」と述べ、支持を求めた。(石川和彦)

 自民前職の高見康裕氏(44)=公明推薦=は、島根県浜田市元浜町の浜田漁港で第一声を上げ、選挙区内の首長や県議、公明県本部幹事長らが駆けつけた。

 県市長会長の久保田章市・浜田市長は「安定政権を築き上げ、地方創生に取り組んでいただくことが我々自治体の熱い思いです」と激励した。

 高見氏は「物価高騰に伴って賃上げを実現しているのは都会の一部の大企業だけ。みなさんの給料も上げることができる環境を国の責任でしっかり整えていきたい」と力を込めた。(高田純一)

 共産新顔の亀谷優子氏(38)は島根県江津市中心部の店舗駐車場で第一声。「総裁選で言ったことと今やっていることは全然違う」と石破首相を批判し、「うそだらけの自民党政治に厳しい審判を突きつけましょう」と集まった支持者に呼びかけた。

 国政で取り組みたいことの一つに「命と暮らしを何よりも大切にする政治をつくること」を挙げ、消費税率の5%への引き下げ、年金額の引き上げなどを訴えた。選択的夫婦別姓制度の即時導入や男女の賃金格差の解消も掲げた。(石川和彦)

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