選挙カーから手を振る候補者=松江市で2024年10月15日午前11時37分、目野創撮影

 衆院選が15日公示され、27日の投開票に向けた12日間の選挙戦が始まった。島根県は2小選挙区に6人が立候補を届け出た。自民党派閥の裏金問題など「政治とカネ」への対応や、物価高を踏まえた経済対策などを争点に、各候補者が第一声を上げた。

 島根1区は与野党一騎打ちとなった4月の補選と異なり、女性候補3人の三つどもえ。保守王国で自民が議席を失った選挙区での戦いに注目が集まる。

 立憲民主前職の亀井亜紀子氏(59)は松江市朝日町の松江テルサ前で第一声。郵政民営化などの自民政権が行った「官から民へ」の改革の流れについて「私たちが今抱えている問題の多くは過去の政策の副産物。あの改革はおかしかった」と批判。「自民党に対しもう一つものが言える勢力を作っていかないといけない」と訴えた。

 共産新人の村穂江利子氏(56)は、松江市袖師町の島根県委員会事務所前で第一声を上げた後、この日は松江市内を回った。街頭で消費税の減税や平和外交などのほか、12月に予定される島根原発2号機の再稼働反対も訴え「日本のどこにおいても地震がない、安全な場所はあり得ない。人間と原発は共存できない」と強調した。

 自民前職の高階恵美子氏(60)は松江市殿町の県庁前で第一声。昨年亡くなった細田博之元衆院議長に触れながら「国政の場でお世話になった。指導いただきながら離島振興などをやらせていただいた」と実績をアピール。エネルギーの需給安定や国土強靱(きょうじん)化などを掲げ「地域の声を聞き、ともに島根の未来を目指す」とした。【松原隼斗、目野創】


 ■小選挙区立候補者(届け出順)

 ◆島根県

1区 立候補3

亀井亜紀子(かめい・あきこ) 59 立 前(2)

 党県代表(議員秘書、参(1))島根県、カナダ・カールトン大 (比)

村穂江利子(むらほ・えりこ) 56 共 新

 党島根県副委員長(学習塾講師、高校教諭)松江市、島根大

高階恵美子(たかがい・えみこ) 60 自(安)前(1)

 [元]復興特委長(厚労副大臣、参(2))宮城県、東京医科歯科大院 [公](比)

2区 立候補3

大塚聡子(おおつか・さとこ) 57 立 新

 社会福祉士、横浜市、神奈川県立保健福祉大院 (比)

高見康裕(たかみ・やすひろ) 44 自(茂)前(1)

 [元]法務政務官(島根県議)出雲市、東大公共政策大学院 [公](比)

亀谷優子(かめたに・ゆうこ) 38 共 新

 党島根県常任委員(大田市議、農場会社員)射水市、高知大


名鑑の見方

 ◆氏名、年齢(投票日の27日現在)、党派、自民党派閥(麻生派)・出身派閥(麻生派を除く)、前職・元職・新人の区別、当選回数の順。職業・肩書の[元]は前職を含む。カッコ内に過去の主な経歴・参院当選があればその回数、本籍地、学歴。末尾の四角囲み文字は推薦・支持政党、(比)は比例との重複立候補

 ◆政党名は、自=自民党、立=立憲民主党、維=日本維新の会、公=公明党、共=共産党、国=国民民主党、れ=れいわ新選組、社=社民党、参=参政党、み=みんなでつくる党、諸=諸派、無=無所属。自民党の麻生派と出身派閥略称は[麻]=麻生派、(安)=旧安倍派、(茂)=旧茂木派、(岸)=旧岸田派、(二)=旧二階派、(森)=旧森山派


選挙人名簿登録者数(14日現在)※在外除く

<島根>

1区=松江市など 25万2905人

2区=出雲市など 28万9439人

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