衆院の定数は465議席で過半数は233議席となる。選挙後の特別国会で首相を指名する際、憲法の規定により衆院の議決が参院よりも優越する。衆院の過半数を押さえることが首相指名や組閣に必要な最低限の数となる。単独過半数に届かず、政党同士の連立によって多数派を形成する場合も過半数の確保が最低ラインとなる。

与党の自民、公明両党は「与党で過半数」を目標に据える。野党の立憲民主党や日本維新の会は「与党の過半数割れ」を狙う。公示前勢力は自民党が247議席、公明党が32議席で合わせると279議席になる。与党が47議席を失えば過半数を割ることになる。自民単独では15議席以上失うと233議席を下回る。

議席数の目安にはほかに①すべての常任委員会で委員の半数を確保し、委員長を独占できる「安定多数」の244議席②すべての常任委員会で委員長ポストを独占した上で過半数を確保できる「絶対安定多数」の261議席③憲法改正の発議や参院で否決された法案を再可決できる3分の2の310議席――などがある。与党が参院の過半数を持たない場合は「ねじれ国会」となり、政権運営に与野党の調整が欠かせなくなる。

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