衆院選の投票所入場券の発送遅れが全国で相次ぐ中、東京23区のうち11区で、配布完了時期が21日の月曜日以降にずれ込むことが、本紙の取材で分かった。期日前投票が始まっているが、入場券が手元に届かないことで投票できないと勘違いする有権者も想定されるため、各選挙管理委員会は「入場券がなくても投票できる」と呼びかける。

◆期日前投票はもう始まっている

 東京23区のうち11区で配布が終わっておらず、配布自体が始まっていない板橋、練馬の両区は到着を22日、目黒は23日までと見込む。通常はどの区も期日前投票が始まる前に配布するが、各区の選管は「入場券の印刷などに時間がかかるため、準備期間が足りなかった」と説明する。  石破内閣発足から8日後の衆院解散、26日後の投開票はいずれも戦後最短。石破茂首相は選管の準備のため、就任前の9月30日に衆院選日程を表明したが、それでも各地の選挙事務に多大な負担となっている。  各選管によると、入場券がなくても投票所で宣誓書に氏名や住所を書くなど、選挙人名簿で本人だと照合できれば投票できる。ただ、「入場券が届いてから投票に行く人が多く、『まだ届いていない』という問い合わせが数十件あった」(品川区)と、投票率への影響を懸念する声もある。  公選法施行令では、「入場券は公示後できるだけ速やかに交付するよう努めなければならない」と定めるが、総務省によると、いつまでに届けなければならないという規定はない。(川田篤志、大野暢子) 

鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。