【ナポリ=共同】中谷元・防衛相は19日、訪問先のイタリア・ナポリでオースティン米国防長官と会談した。両氏の対面での会談は初めて。中谷氏は石破内閣として、岸田前政権が始めた防衛力の抜本的強化を続ける考えを伝え、両氏は日米同盟の抑止力・対処力を強化する方針を確認した。
会談で中谷氏は「同盟強化のため、日米がワンチームで緊密に連携していきたい」と表明。オースティン氏は、米国が核を含む戦力で日本防衛に関与する「拡大抑止」に触れ「あらゆる能力を含め、米国の日本防衛に対するコミットメントは揺るぎない」と強調した。
日米間で進めている自衛隊と米軍の指揮・統制枠組みの向上策についても議論した。日本は2024年度末に陸海空3自衛隊の「統合作戦司令部」を新設。米側もカウンターパートとして在日米軍に「統合軍司令部」を設置する方針だ。
両氏は台湾に対する中国の軍事的圧力や、韓国との対立を深める北朝鮮の動向といった地域情勢についても意見交換した。
中谷氏は、次期戦闘機を共同開発する英国、イタリアとの3カ国防衛相会談も開催。18日にはイタリアのクロセット国防相と個別に会談し、自衛隊とイタリア軍が物資などを融通し合う「物品役務相互提供協定(ACSA)」に両政府が実質合意したことを歓迎した。〔共同〕
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