衆院選秋田1区には、前職2人と新人2人の4人が立候補している。各候補者の選挙戦を追った。

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 立憲・前 寺田学氏(48):
「今回の選挙は、国民の皆さんに背を向けた自民党のその背中に、選挙結果をもって厳しい結果をたたきつける。そしてまた、政治を正面から向いた、皆さんに向き合った政治を取り戻していく。そういう大事な選挙だと私は思っています」

立憲民主党の前職・寺田学氏。秋田1区への出馬は今回で7回目だ。

自民党の派閥の裏金問題を受け、政治倫理審査会では疑惑があった議員と対峙(だいじ)してきた。

寺田氏は今回の選挙を「政治とカネの問題を決着させる戦い」と位置付けている。

 寺田学氏:
「今、政治に対する不信感が非常に高いと思っています。今回の選挙できっちりとけじめをつけて、前に進む大きい機会にしたいと思ってます」

選挙戦で寺田氏が力を入れているのが「有権者との対話」だ。歩きながら選挙区を回るほか、集会を開いて有権者の声に耳を傾けている。

前回は自民党前職との一騎打ちに敗れた寺田氏。今回は「野党のライバル」が戦いに加わった。それでも寺田氏は、自らの足で支持を広げ、選挙区での議席獲得を誓う。

 寺田学氏:
「残すところ数日ではありますが、自分の体力の続く限り、有権者の皆さんに訴えていきたいと思っています」

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 維新・新 松浦大悟氏(55):
「人生において選択肢のある、そんな社会を私はつくっていきたい」

参院議員を務めた経験を持つ維新の松浦大悟氏。衆院選は、希望の党から出馬した2017年以来7年ぶりの挑戦だ。

松浦氏は「改革」をテーマに掲げていて、「選択肢の多い秋田を目指す」と訴える。

 松浦大悟氏:
「地元の資源を生かしたアイデアでもって、若い人たちがスタートアップできるような、そんな環境を整えていかなければならないと思っています」

松浦氏は「維新」の一員として活動している約2年間、ほぼ毎日街頭に立っている。加えて選挙戦では、選挙区をくまなく回り、支持を呼びかける。

松浦氏は、政治改革をはじめ、社会保険料の減額や教育の無償化など8つの政策を公約に掲げ、無党派層の取り込みを狙う。

「頑張ってください、応援していますので」と声をかけてくれた有権者に、松浦氏は「ありがとうございます。なんとか秋田を変えるために頑張りますのでよろしくお願いします」と応えていた。

 松浦大悟氏:
「秋田市民の皆さんの顔を見て、しっかりと話を聞くということだと思います。自分の一方的な主張ではなくて、思いを受け止めるというところに重きを置いて活動しています」

自身を「自民党」でも「立憲」や「共産」でもない「第4の選択肢」と話す松浦氏。17年ぶりの国政復帰を目指し、戦い抜く。

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「絶対勝つぞ!絶対勝つぞ!」

5回目の当選を目指す自民党の冨樫博之氏。2012年から選挙区で自民党の議席を守り続けてきた。

選挙戦では、前職としての実績を強調するとともに、地元の県議の協力を得るなど組織力をフル活用して、企業や団体訪問に力を入れている。

今回の選挙で争点の一つとなっているのが「政治とカネ」について。冨樫氏は「政治改革の必要性」を訴える。

  自民・前 冨樫博之氏(69):
「どこの社会でもペナルティがありますよ、必ず。会社でも、スポーツでもそうじゃないですか。ルールを守らない国会議員はもう退場してもらうしかない。辞めてもらう」

 菅義偉元首相:
「政治不信に関わることがあったことを、国民の皆さんに心からおわびを申し上げます」

19日は湯沢市出身の菅義偉元首相が応援に駆け付け、信頼回復に向けて「党が変わること」を約束した。

 冨樫博之氏:
「厳しいと思っています。だから、あとこの1週間が勝負だと思いますので、全身全霊で頑張っていきますので、よろしくお願いいたします」

冨樫氏は組織の手厚い支援を受けながら、さらなる票の上積みを狙う。

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 共産・新 鈴木知氏(47):
「自民党の政治が続く限りは政治は変わりません。政治を変えるためには、今の政治の構造を大本から変えていく、このことが必要です」

共産党の鈴木知氏は、15年ぶりに衆院選に名乗りを上げた。秋田市議会議員の経験がある鈴木氏だが、選挙戦のポイントは「広く知ってもらうこと」だと話す。

 鈴木知氏:
「新人・挑戦者という立場なので、政策を正々堂々と訴えていこうという気持ち。これまでもそういう気持ちでやっていましたが、そこは変わらないでやりたいと思います」

選挙戦で鈴木氏は、国道など多くの人が行き交う場所に立ち、マイクを握る。

演説の回数は1日10回以上。その中で鈴木氏が強く訴えていることは「政治とカネ」についてだ。

また、賃金の引き上げや消費税の減税などを公約に掲げ「暮らしに寄り添う姿勢」を強調する。

 共産・志位和夫議長:
「皆さんの暮らしを応援して、経済を良くし、景気を立て直す。この政策にチェンジをしようではありませんか」

19日は党の志位和夫議長が秋田を訪れ、党の支持を訴えるとともに、鈴木氏を後押しした。

 鈴木知氏:
「地方と東京の格差が大きいので、地方にこうやって足を運んでもらえるのは本当にありがたいことだと思います。最後まで声がかれるまで政策を訴えて頑張りたいと思います」

鈴木氏は、今の政権に不満を持つ人に訴え続ける。

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