候補者の街頭演説を聞く有権者ら(21日、大阪府寝屋川市)=共同

衆院選(27日投開票)の終盤に向けて各党党首が全国で遊説を続けている。政権運営能力や「政治とカネ」問題に焦点をあてて浮動票の獲得を競う。

石破茂首相(自民党総裁)は22日、愛知県小牧市の街頭演説でかつての民主党政権を批判した。2011年に東日本大震災が起きた際の菅直人政権を振り返り「あのときほど自民党、公明党が野党で申し訳なかったと思ったことはない」と発言した。

報道各社の世論調査で自民の苦戦が伝えられるなか、野党の政権運営能力は低いと主張する狙いがある。首相は21日夜、党本部で菅義偉副総裁や森山裕幹事長、小泉進次郎選挙対策委員長らと会い、衆院選の情勢を分析していた。

立憲民主党の野田佳彦代表は22日、埼玉県内を中心に候補者の応援に入った。入間市の街頭演説で「大接戦のところだけ選んで応援に入っている」と強調した。

この選挙区の自民前職は旧安倍派に所属し、政治資金収支報告書の不記載があり党の処分を受けた。野田氏は「世論調査のたびに追いついてきて、もう手が肩に届く。裏金議員に鉄槌(てっつい)を下そう」と呼びかけた。

日本維新の会は吉村洋文共同代表(大阪府知事)が大阪をはじめとする関西圏で活動を続ける。馬場伸幸代表や藤田文武幹事長は全国の応援に回って役割を分担する。

維新は序盤情勢調査で公示前勢力を下回る可能性が指摘されており、比例代表の票の掘り起こしに向けて引き締めにかかる。

公明党の石井啓一代表は22日、自らの埼玉14区で選挙活動を進めた。全国での党勢拡大を目指しつつも、代表として自身の勝利を確実にする思惑が透ける。比例との重複立候補を見送っており、15日の公示後はたびたび地元入りしている。

共産党の田村智子委員長や国民民主党の玉木雄一郎代表は小選挙区で候補者がいない地域も積極的に訪れ、比例での投票を呼びかける。

22日は田村氏が長野県上田市、玉木氏が長野市や富山市などを回った。玉木氏は「半分比例選挙だ」と語り、21日は都内20カ所以上で演説した。

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