投票まであと4日に迫った衆議院議員選挙、注目の選挙区をシリーズでお伝えしています。10月23日は、新しい区割りになって、岡山県の面積の約7割を占める岡山3区です。
岡山3区に立候補しているのは、届け出順に自民党・前職の加藤勝信さん(68)、共産党・新人の原田亜希子さん(51)、立憲民主党・新人のはたともこさん(58)の3人です。
区割り変更に伴い、これまで5区だった笠岡市や高梁市などが3区に再編され、岡山3区は、県北の津山市や真庭市など18の市町村にまたがり、県の面積の約7割に及ぶ広い選挙区となりました。
SPが立ち警護が強化された中、到着したのは、自民党の前職、加藤勝信さんです。10月に発足した石破内閣で財務大臣に就任しました。
(加藤勝信候補<自・前>)
「岡山の7割を占める地域の大半はいわゆる中山間地域、過疎地であります。地域で子育てができる、また医療や介護、そして生活ができる基盤をどうやって作っていけるかどうかがかかっている」
9月は、自民党総裁選にも立候補、抜群の知名度で選挙に突入しました。
(加藤勝信候補<自・前>)
「どうもありがとうございました」
加藤さんは、財務大臣としての公務や、総裁選で推してくれた仲間の議員の応援などで、自身の選挙区を回れたのは公示日からの1日半だけ。1日4回の出陣式に街頭演説、分刻みのスケジュールをこなしました。
官房長官や大臣を歴任した実績をアピール、初めて訪れる地域でも、地方創生や経済政策などを訴え、家族や地元スタッフが加藤さんの留守を支えます。
(加藤勝信候補<自・前>)
「景気回復の兆しが見えてきた、これを本格的な足取りにしていく、そういった意味においても皆さんの賃金や年金の支給額のアップにつながってまいります。国民の所得を増やし、そして倍増を目指す、まずこのことをしっかり訴える」
(原田亜希子候補<共・新>)
「自由な時間があってこそ豊かな人生と言えるのではないでしょうか、そのため私は最低賃金を全国一律1500円に引き上げると同時に1日7時間、週35時間労働制を進めていこうと考えています」
共産党の新人、原田亜希子さんは、東日本大震災による福島第一原発の事故のあと、2012年に群馬県から岡山県和気町に移住してきました。大学生と高校生の子供を育てる母親です。大学の学費を半額にすることや、消費税を5パ-セントに引き下げることに加え、原発を直ちにゼロにすると訴えています。
(原田亜希子候補<共・新>)
「ありがとうございます、聞いていただいて。頑張りましょう」
子育て経験や若者が安心して暮らせる環境づくりへの思いが、原田さんの武器です。原田さんは、選挙区で連日宿泊しながら、選挙区全域を駆け巡ります。国民の暮らしを最優先とした政策の浸透を図っていきます。
(原田亜希子候補<共・新>)
「自民党政治のままでいいのかと、これをこの先も皆さん続けていくのかという訴えを、このままで果たしていいのかと、有権者の皆さんに問うていきたい選挙でもある」
(はたともこ候補<立・新>)
「行ってらっしゃい、おはようございます、いってらっしゃい」
「もう1年半続けていまして、5時過ぎから」
立憲民主党の新人、はたともこさんは、中山間地域で、爪に火をともす暮らしを続けてきた人たちの生の声を国政に届けたいと力を込めます。
(はたともこ候補<立・新>)
「この先も裏金を作る気満々の政治資金規正法改正案を、先の国会で自民党国会議員全員が賛成して通過、成立しました」
「あまりにも国民のことをばかにした内容でありました」
15年前、民主党が政権交代した時、はたさんは参議院議員を務めました。その後当選はありませんが、今回の選挙では、再び政権交代が必要だと訴えます。
薬剤師でケアマネージャーでもあるはたさんのイメージカラーは白。中山間地域で荒廃した農地や田んぼを見てきたはたさんは、重労働である草刈り作業に時給1500円を補償すること。75歳以上の高齢者に、年金に上乗せして毎月5万円を支給することなどを提案します。
(はたともこ候補<立・新>)
「コメが私たちの主食だが、簡単に食べられない時代、足元まで食料危機が来ていると言っても過言ではない。とにかく後継者が育つ一次産業所得補償、今までの自民党農政は結果が出ている」
「所得補償して、後継者が育つ一次産業にしていきたい」
現役の大臣の前職に、2人の新人が挑む岡山3区。衆院選の投票は10月27日です。
24日は、岡山4区についてお伝えします。
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