自民党本部=東京都千代田区で、平田明浩撮影

 自民党派閥の裏金事件に関係したとして衆院選で非公認となった候補が代表を務める党支部に対し、党本部が税金を原資とする政党交付金から2000万円を支給したことを巡り、自民は24日、「公認、非公認とは無関係であり『裏公認』『偽装公認』との指摘は一切当たらない」との通達を出した。自民は同日、通達を公表した。

 通達は「総裁・幹事長室」から衆院選の公認候補者や選挙実務者あてに出された。政党交付金の支給について、年4回の交付に加え、選挙では「支部活動の活発化や党勢拡大のため、別途、交付している」と指摘。支部長の任期については、選挙から選挙までの間と規定され、今回の選挙が終わるまでは「非公認候補も当該選挙区の支部長」と説明した。

 党勢拡大のための支出例として、党の政策のPR▽選挙区内の比例票の掘り起こし――などを例示。非公認の候補は「自身の選挙運動にこの交付金を使うことはできない」と強調した。

 「政治とカネの問題とはまったく異なり、なんら法律的、倫理的にも後ろ指をさされるものではない。選挙活動でそのことを明確にお伝えしても結構だ」とも明記した。

 自民は1次公認を発表した9日付で「支部政党交付金支給通知書」を送付。通知書には2000万円の支部政党交付金を支給すると記載されていた。内訳は「公認料」が500万円、「活動費」が1500万円となっていた。

 一方、裏金事件を受け、非公認で出馬した候補は10人。自民は非公認候補が党支部長にとどまっている支部に対しても、公認候補と同額の2000万円を支給した。野党は「非公認と言っておきながら、同じようなお金を出したらステルス公認だ」などと批判を強めている。【飼手勇介】

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