衆議院選挙の投票日を前に、宮崎県内の論客2人による「投票率」をテーマにしたインタビューを行った。
1人は夕方ニュースのコメンテーター、土屋有さん。もう1人は、日南市のマーケティング専門官を務めた経験のある、田鹿倫基さん。田鹿さんは現在、宿泊施設や簡易郵便局の運営などを手がける他、地方議員の政策立案のアドバイスも行っている。2人の忌憚のない意見から見える投票率アップのために必要なこととは?
前回の県内の衆院選の投票率は53.66%。有権者の半数近くが投票に行っていない。
児玉アナウンサー:
今回の選挙投票率どうなると思いますか?
田鹿倫基氏:
確実に下がるでしょうね。下がるというか、こんなもんだろうなていう感じだと思う。
土屋有氏:
上がる理由ってなくないですか?
田鹿倫基氏:
今回争点の一つにも政治家のお金の使い方、裏金とかその辺りに怒りを感じている人とか。
土屋有氏:
そんなレベルもできていない政治が問題なんですけど、正直興味なくす方が強いんじゃないですか。裏金とかそういう問題で何か怒りを投票で表すっていう前に興味を失わせているわけでそりゃ行かないだろうな。
田鹿倫基氏:
多分、今回裏金の問題で怒りを感じている人は、多分前回も投票に行ってるんですよね、そもそも今回も前回も投票に行かない人は、裏金の問題があってもなくてもあんまり興味ないし、そんなことが投票の要因にはならない。
なぜ投票率が上がらない?
投票率が上がらない理由について、2人の見解はどうだろうか。
田鹿倫基氏:
ちょっと昔の例ですけど、『保育園落ちた日本死ね』みたいなブログがすごく流行ったことがあって、要は幼稚園入れなかったと。これがものすごい勢いで拡散をされて、今ほとんど待機児童ってなくなってきてるんですよね、東京とかで。そういった自分の1票よりも一つのブログとか一つのYoutubeが拡散されていく方が政策に与える影響が大きいってことを多分感じてると思う。
マーケティングが専門の土屋さんは、公約が複雑なことをあげる。
土屋有氏:
複雑であるってことを認識したタイミングから複雑なものを避けるっていうのが、人間の当たり前の意思決定の中にあるんですよ。今の選挙で社会が複雑なのはしょうがないんだけれども、複雑なものを複雑な形で理解してその上で投票しろっていうのは酷だと思う。思い切りな判断基準がないと投票しづらいから、この1行がいいとか、この1行この公約が嫌いだとかだけで選ぶでもいいから、とりあえず投票いってみようと。
また2人は若い世代の投票率を上げるためにはインターネット投票の導入、そして選挙の仕組み自体を変える必要があると話す。
「今の技術だったら多分世代間で選挙区作れるはずで、20代選挙区とか、日本全国の20代が投票できる人、30代が投票できる人とそこで議席数とかを決めていくと、20代選挙区から受かった政治家は20代のためにやっぱやると思うんですよ。その結果、環境問題をちゃんとやりましょうとか、現役世代の手取りを増やすための政策をやりましょうとか、多分そうなってくるんで」。
2人が若い世代に送る言葉は
投票日まであと6日。どのような言葉を送れば若い世代に届くか聞くと…。
田鹿倫基氏:
行きたければ行けばいいし、別に行きたくなければ行かなくていいし、自分が一票を行使することで得られるかもしれない社会と、行使しないときに陥る社会をちゃんと想像して自分の判断でいけばいいんじゃないかって、そこから民主主義のスタートだろうなと思って。
土屋有氏:
言葉を選ばずに言うと、君たちの世代なめられてるよって思いますよね。投票行っても変わらないじゃないか、わかりますよ。でも投票行ってないっていうのを、選択したあなたたちの世代の責任だから、あなたたちの世代が責任を背負うんです。しょうがないよねっていう流れになってるよ。て言いますけどね僕は。
投票率を上げるため今、できること
土屋有氏:
興味関心を奪ってるのは、僕らの世代以上の大人たちの責任だと僕は思ってますけどね。
児玉アナウンサー:
その選挙の話をしない。
土屋有氏:
しない。
田鹿倫基氏:
やっぱり家庭内で社会のことについて何かいろいろ話をする機会が増えるっていうのはすごくいいなと思います。何かその社会について、本当に議論を議論というか話題に上げていくだけでも、次の選挙でこの政治家が言ってるこれってどういうことなんだろうとか、何か関心を持つと思うんですよね。
土屋有氏:
社会のみんなと私の問題意識ってのは、どこがつながってどこがつながってないのかなって知ることができるのが投票結果の当日だと思う。それを楽しみに見てもいいんじゃないかなと思いますけどね。
(テレビ宮崎)
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