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 自民党が衆議院選挙で非公認にした候補者の政党支部に2000万円を支給していた問題で、野党が追及を強めています。

■広がる波紋…野党は厳しく批判

石破茂総理大臣
「野党のみなさん方は、政権交代こそ政治改革。そうおっしゃいます。じゃあどんな政権を作るんですか。誰が総理で、どの党とどの党が組んで、どのような外交政策、どのような安全保障政策、どのような経済政策、どのような農業政策、どのような社会保障政策をやるのか、まったく分かりません」

 選挙戦終盤、全国で遊説に駆け回る石破総理は25日に青森で街頭演説を行いました。

石破総理
「自民党の改革はもう一回きちんとやります。どんな理由があっても、パーティ―券、不記載、あっていいことではありません。公認もできない、重複立候補もできない。そういう同志が多く出ております。辛いことです。でもそれはきちんとした処分をしなければなりません」  自民党が非公認とした候補が代表を務める支部に支給された政党交付金2000万円について、この日は言及しませんでした。

 野党はこの件を厳しく批判しています。

立憲民主党 野田佳彦代表
「都合2000万円、これ公示の前後にお金が出ています。ところが非公認、公認しないというペナルティを与えた。なんで2000万円と同じ額、政党の支部に出すんですか。事実上の公認料とみんな思いませんか、これ。裏公認料です。裏金、裏金隠し、そして裏公認料、いつまで裏、裏、裏、裏の汚い政治をやるんですか。みなさん許しちゃいけないと思います」 国民民主党 玉木雄一郎代表
「もう政治とカネの問題言いたくない。言いたくないが毎日出てくる。地元でも出てくる。でも、もうここは皆さんの力で変えるしかない。政治とカネの問題、もうこんなことに時間を使っている余裕は日本にはない。私たち国民民主党は、対決より解決。政策本位でやろうと。人の悪口ばっかり言ってても、皆さんの所得も年金も1円も増えないんですよ」 日本維新の会 馬場伸幸代表
「政党助成金から非公認にしたはずなのに、2000万円もの活動費を振り込んでいるということが発覚をしました。自民党は政治とカネの問題、自ら起こした問題であるにもかかわらず、全然反省していません。全然改革しようと思っていません。それをご覧いただいてれば、よくわかると思う」

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■連立を組む公明党「争点はそれだけでいいのか」

■連立を組む公明党「争点はそれだけでいいのか」

 この非公認候補の支部に支給された政党交付金2000万円について、石破総理はこう説明しています。

石破総理
「あれは政党支部に出したもので、候補者に出したものではございません。候補者が選挙に使うなんてこと全くございません。そのようなことは私どもはいたしません。そのような報道には憤りすら感じる」

 しかし、この弁明についても…。

共産党 田村智子委員長
「『このような時期にこのような報道が出ることは憤りを覚える』いやいやちょっと待ってください。憤っているのは国民ではありませんか。政党助成金、つまりは私たちが納めている税金が、裏金ど真ん中の候補者に渡されていた。自民党はどこまで国民を愚弄(ぐろう)するのか」 れいわ新選組 山本太郎代表
「自民党、いいですね。何かしらやらかして非公認となったのに、2000万円ものお金を振り込んでもらえるなんて、うらやましいね。仲間になりたい。でもみなさん、仲間になることはできません。だったら国民として政治に仕事させましょうよ」 社民党 福島みずほ党首
「公認に2000万、非公認に2000万、結局同じじゃないでしょうか。非公認も、まさに公認と一緒。頑張って選挙やって当選したら自民党に戻ってきてね、自民党公認と同じ扱いするから、そういうものではないでしょうか」 参政党 神谷宗幣代表
「金かかる政治やっているから、あんな裏金が必要になるわけです。それを直せって言っても無理。無理。自民党には無理。見切った方がいいじゃないですか。今回過半数割れしそうですね。2000万円の問題も出てきて。いいことだと思います。自民党におきゅうをすえないといけない」

 連立を組む公明党は次のように述べました。

公明党 石井啓一代表
「特に昨日からいわゆる2000万円の問題、これも喧伝(けんでん)をされているが、公明党は全く感知していない問題でございます。今回の衆議院選挙、政治とカネの問題が争点にされておりますが、争点はそれだけでいいのでしょうか。このことを私は申し上げたいと思います」

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■「返金手続き」SNSで説明も

■「返金手続き」SNSで説明も

 2728万円の不記載で非公認になった東京24区の萩生田光一候補はこのように話します。

無所属 萩生田候補
「突然このような資金を振り込まれても、正直申し上げてありがた迷惑な話」

 困惑の色を見せるなか、25日にSNSで返金の手続きを行ったことを明らかにしました。

萩生田候補(SNSから)
「本交付金は年間を通じて交付される正当なものではありますが、振り込み時期や金額が誤解を招く可能性があると判断いたしました。また党勢拡大を求められているものの、現在無所属で活動しているため、その目的を達成することが困難であることを理由に、返金することを決定しました」  東京24区からは、萩生田候補のほかに参政党・與倉さゆり氏、立憲民主党・有田芳生氏、無所属・畑尻文夫氏、国民民主党・浦川祐輔氏、日本維新の会・佐藤由美氏が立候補しています。

(「グッド!モーニング」2024年10月26日放送分より)

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