元日の能登半島地震や9月の豪雨の被災地が選挙区の石川3区では、立憲前職の近藤和也氏(50)が15年ぶりの小選挙区での当選を確実にし、石川県七尾市の事務所で集まった支持者らに笑顔を見せた。
民主への政権交代があり、自身が初当選した2009年の衆院選から自民候補と事実上、一騎打ちの選挙戦を毎回展開し、いつも激しく競り合ってきた。
今回も自民前職の西田昭二氏(55)との争いとなり、復旧、復興のあり方などを巡って舌戦を繰り広げてきた。
だが、被災地の有権者の中には、金沢市などで自治体が賃貸住宅を借り上げた「みなし仮設住宅」に身を寄せ、選挙区外に避難している人もいる。自宅が壊れて仮設住宅に移った人も多く、選挙期間中でも被災した集落に人がいなかった。
さらに、候補者は仮設住宅に行っても地区の有力者が不在で人を集められなかったり、選挙戦を手伝ってくれていたスタッフが被災して来られなかったりし、これまでとは状況が全く異なる戦いを強いられた。
9月21日の豪雨から1カ月もたたずに選挙戦を迎えることになり、違和感を感じる有権者も少なくなかった。その中で、近藤氏は「被災者の苦労や悩みを国会で訴えていく」「政治とカネの問題を終わらせる」などと繰り返し訴えた。自民党派閥の裏金事件への批判も追い風にして、接戦を制した。【阿部弘賢】
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