27日投開票の衆院選で、国政経験のある3人がせめぎ合う構図となった東京7区では、政治資金収支報告書に計822万円の不記載が発覚し、党の処分を受けた元五輪相の自民新人丸川珠代さん(53)の落選が確実となった。

丸川珠代さんは落選が確実となったものの、午後10時前になっても事務所に姿を見せていない(小沢慧一撮影)

 午後8時に丸川さんの落選の確実が伝えられた後、1時間以上たっても、本人は一向に港区内の事務所に姿を見せなかった。支援者向けの椅子が40席用意されていたが、訪れたのは8人で静まりかえった。  参院からくら替えして挑んだ丸川さんは、自民の公認を得ながらも、裏金問題の影響で比例代表への重複立候補も認められない背水の陣だった。公明からは推薦を得られず、厳しい戦いとなった。

落選が確実となった自民の丸川珠代さん

 選挙戦では「私自身に個人口座での資金の管理や使途不明金というものは一切ない」と潔白を強調。政治資金の透明化を図るため、第三者機関設立の必要性を訴えた。一方で街頭演説予定は公表せず、一部からは「有権者への説明を逃げている」との批判も出た。  また、安倍晋三元首相の妻、昭恵氏らが応援に駆け付けた際には、「正しい道をいくものが、正しい道を進める政治を作り直したい。天におられる安倍先生にお誓いし、選挙に臨んだ」と涙ながらに語る場面もあった。  21日に実施された東京青年会議所による公開討論で、自身の裏金問題について丸川さんが「資金は(自分の)口座で管理していた」答えたとする今年2月の報道について、丸川さんは「『自分の』とは発言していない。誤報だ」などと主張。司会などから「報道か丸川さんのどちらかがウソをついていることになる」「政治生命に関わるので白黒つけるべき」とあったが、「機会があれば」と曖昧な回答で終わった。(小沢慧一)


鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。