集まった支持者に厳しい表情であいさつする丸川珠代氏=東京都港区で2024年10月27日午後10時18分、玉城達郎撮影
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 東京7区では、参院からくら替え出馬した元五輪担当相の自民新人、丸川珠代氏(53)が立憲元職の松尾明弘氏(49)に敗れ、落選が確実になった。派閥裏金事件を巡り政治資金収支報告書の不記載が計822万円あり、党から戒告処分を受けた。「裏金議員」との批判をはねかえそうと謝罪を続けたが、かなわなかった。

 落選が確実になると、丸川氏は東京都港区の事務所に集まった支援者に謝罪。「政治とカネ」の問題が選挙結果に大きく影響したとの認識を示し、「この問題が起きてからの党の対応が、国民の理解を得られなかったのだと思う。言葉の限りを尽くして説明したつもりだが、信頼を得るには至らなかった」と述べた。

 裏金事件の影響で、選挙に向けた活動は昨年末から実質的に中止を余儀なくされた。今春からイベントに参加するなど活動を再開させたが、他候補に比べスタートの遅れが目立った。

 裏金について有権者に本格的に説明を始めたのは、東京地検特捜部が丸川氏を不起訴とした8月末から。「裏金は許せない」と支援をやめた自民支持者も少なくない。公示後は一連の事件について、「不透明な資金の流れに私が気づいて正すことができなかった。心からおわびする」と釈明し、街頭で繰り返し頭を下げた。

 参院で当選3回の経験はあるが、ミニ集会をまわり、積極的に街頭に立つ「どぶ板選挙」は初めて。裏金に対する有権者の受け止め方は厳しく、支持を広げられなかった。【川上晃弘、島袋太輔】

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