酒井菜摘氏

 「政治とカネ」の問題を巡り、2017、21年に当選した自民系議員が2人続けて逮捕された東京15区は、「まっとうな政治」を掲げた立憲前職の酒井菜摘氏(38)が自民新人の大空幸星氏(25)、無所属新人の須藤元気氏(46)との事実上の三つどもえの戦いを制した。

 半年前の補選では、立憲や共産が酒井氏に候補者を一本化する「野党共闘」が成立。自民も候補を擁立できないまま、酒井氏は次点だった須藤氏に約2万票差で初当選した。

 今回は、安保法制の廃止に慎重な立憲の方針がネックとなって野党共闘の構図が崩れ、補選は出馬を取りやめた共産新人の小堤東氏(35)が立候補。野党票も割れる形となったが、酒井氏は党幹部の応援を受けて立憲支持層を着実に固めたほか、補選で上げた知名度で無党派層の支持も幅広く集めて、取り込めなかった共産などの票を補った。

 選挙戦では、子育て政策や社会保障の充実も呼びかけ「ジェンダー平等の社会を作り、若者や子供、困難を抱える人の声を政治に反映させる」と訴えた。街頭演説で有権者と時間をかけて対話し、子育て世代の女性との交流会なども開き浸透を図った。【白川徹】

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