日本維新の会は27日夜、大阪市内のホテルに設置した「開票センター」で、馬場伸幸代表や吉村洋文共同代表らが開票の行方を見守った。午後8時すぎ、本拠地・大阪の選挙区で公認候補の「当選確実」が次々伝えられると、馬場代表がボードに書かれた候補者の名前に花を付けた。
維新は今回の衆院選で「野党第1党」と「与党過半数割れ」の目標を掲げた。また、全国政党化を進めるため、全289小選挙区への候補擁立を目指したが、早期解散の影響などもあり、163選挙区への擁立にとどまった。今回も大阪以外の選挙区では花付けが進まず、全国政党化には引き続き課題を残した。
大阪の19選挙区では「背水の陣で臨むことを有権者に示す」として、擁立が遅れた大阪9区を除く18選挙区で比例代表との重複立候補を認めなかった。28日朝にかけて、比例代表を含めた党の獲得議席が確定する。議席数は衆院選後に行われる予定の代表選や、他党との距離感に影響する可能性がある。
維新内部からは「主要野党が議席を伸ばし、維新が独り負けとなれば、執行部の結果責任は避けられない」との声も上がる。
一方、馬場氏は選挙戦最終日の26日、地元・堺市でのマイク納め後、報道陣の取材に「もし、与党が過半数割れすれば、大きな目標を達成したと言える」と予防線を張った。
また、馬場氏は過去に「立憲(民主党)はたたきつぶす」「(共産党は)日本からなくなったらいい」などと他の野党を激しく攻撃。一方で、「第2自民党」を自任し、一時は自公両党と連立政権を組む可能性を排除しない考えも示していた。
ただ最近は、自民派閥の裏金事件を受けて「今の状況では一緒にやっていくことは不可能」と語り、公明とは今回の衆院選で全面対決するなど、立ち位置が難しくなっている。【東久保逸夫、鈴木拓也】
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