福岡2区の立憲前職、稲富修二氏(54)は、5度目の対戦にして初めて、自民前職の鬼木誠氏(52)との接戦を制し、当選を確実にした。福岡市中央区を含むなど都市部の無党派層が多い選挙区で、風は野党側に吹いた。自民にとっては、現職の副防衛相が小選挙区の議席を落とす厳しい結果となった。
選挙戦では前回選挙で共闘した共産が候補者を擁立するなど、野党候補が多数出馬。自公の組織力を最大限に活用する鬼木氏に対し、一時は稲富氏の劣勢も伝えられた。だが、連日の街頭演説のなかで裏金事件について「自民議員の感覚は国民とかけ離れている。選挙で審判を下すしかない」などと批判。無党派層の支持を集めて混戦から抜け出した。支持母体の「連合福岡」などにも支えられた。
鬼木氏は自民に強い逆風が吹くなか、地元議員らの手厚い支援を受けて選挙戦を展開。党も「重点区」と位置付けて序盤から幹部が続々と選挙区入りしたが、有権者の不満を抑えることはできなかった。【竹林静】
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