27日投開票の衆院選で、東京17区の無所属平沢勝栄さん(79)は自民の公認を得られなかったが、10回目の当選を確実にした。

集まった支援者に謝意を伝える平沢勝栄氏

 午後11時40分ごろ、平沢さんは葛飾区内の事務所近くにある幼稚園に姿を見せた。これまでは午後8時には「当確」が出ていただけに、「こんな結果になったのは、私たちの責任。申し訳ございません。皆さん方は一生懸命やってくれました。こんな遅くまで残っててくださって申し訳ない」と支持者に感謝の言葉を伝えた。  「選挙は10回目だが、これだけ苦しい、迷惑をかけた選挙は初めて。これからは平沢を応援してよかったと言ってもらえるよう全力で頑張っていく」とあいさつ。万歳はせずに、深々と頭を下げた。  報道陣の取材に、非公認について問われ「私の方としては取り扱いに納得いないところもある。しかし、組織ですから、党に従うのはやむを得ない」。自民党への逆風については「(政権交代につながった)2009年と違い、今回はダメージはあるが、これほど大きいという感じはなかった。なぜ見誤ったのか、きちんとした総括をしないとだめだと思う」と語った。  選挙期間中は有権者らに演説の場所や時間を公表せずに、選挙区内を回った。具体的な政策には言及せず、名前の紹介とあいさつにとどめたが、これまでの実績を武器に、危なげない選挙戦を繰り広げた。  9期務めたベテラン。自民党の派閥裏金事件では、政治資金収支報告書への不記載額が1800万円超に上り、党役職停止1年の処分を受け、公示直前に無所属での出馬となった。  国民新人円より子さん(77)は女性支援などを訴えたが及ばなかった。日本維新の会新人猪口幸子さん(68)は教育無償化や社会保障制度改善を掲げたが、支持が広がらなかった。共産新人新井杉生さん(65)は自民批判や賃上げを訴えていた。(鈴木里奈) 

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