東京17区は、自民党派閥の裏金事件で非公認となり初めて無所属で立候補した前職、平沢勝栄氏(79)が、野党の新人3人を相手に10選を確実にした。
平沢氏は日付が変わった28日未明、東京都葛飾区の事務所近くで支援者らと万歳三唱し、「これだけ苦しくご迷惑をかけた選挙は初めて。本当に一生懸命やってくれて感謝の言葉しかない。やはり平沢を応援して良かったと言っていただけるよう、全力で頑張りたい」と語った。非公認での選挙戦については「納得いかないところはあったが、党が決めたことには従う。やむを得ない」と述べた。
復興相などを歴任した平沢氏は、政治資金収支報告書に総額1817万円の不記載が発覚し、党から役職停止1年の処分を受けた。国会の政治倫理審査会に出席しておらず非公認となったが、地元密着で築いた強固な支持基盤に支えられ、リードを譲らなかった。
選挙期間中は「事実上の自民党」といえる選挙戦を展開。自民の葛飾区議団と選挙カーで選挙区内をくまなく回り、街頭演説には自民の現職国会議員も応援に駆けつけた。地元の祭りや自治会のイベントにもこまめに足を運ぶなど、票固めに抜かりがなかった。陣営関係者によると、平沢氏が裏金事件について街頭演説などで言及することはなかったという。
野党は維新と共産、国民民主がそれぞれ新人を擁立。候補者の一本化が実現せず、結果的に政権批判票が割れた。【長屋美乃里、岩本桜】
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