◆河村たかし氏「自民党に取って代わる勢力に」
ホワイトボードで当選確実となった候補者らに印を付ける百田尚樹代表=10月28日未明、東京都内で(戎野文菜撮影)
真っ先に「当選確実」となったのは、名古屋市長を辞職して愛知1区から立候補した河村たかし共同代表。名古屋市内の選挙事務所で「保守党が自民党に取って代わる勢力になるための重要な日」と力を込めた。 日本保守党は、比例代表の東海ブロックと近畿ブロックでも各1議席を獲得した。◆自民党への協力「総理を保守党から出すなら考えても」
百田代表は27日夜から28日未明にかけて、有本香事務総長とともに東京都内で記者会見した。 百田氏は「3議席」という結果について「満足とは言えない。(選挙区と比例代表の計30人の候補者で)負けた人の方が多いので、喜び半分というよりも、悔しさと悲しさのほうが大きい」とした上で、「大変な大きな躍進。これで国会で戦う武器を得た気がする。せっかく与えられた武器なので徹底して使っていこうと思う」とも語った。初の議席獲得が確実になり、笑顔を見せる百田尚樹代表㊨と有本香事務総長=10月27日夜、東京都内で(戎野文菜撮影)
記者会見では、与党の過半数割れが確実になったことを受け、連立政権入りの可能性があるかとの質問も出た。 百田氏は「基本的にはやりません」とした上で、「自民がどうしても連立政権を組みたいと、『頼むから』と言ってきたら。条件次第ですね。総理は日本保守党から出しますと言うたら、まあ考えてもいいけど」と説明。有本氏は「自民党が大変問題があるからといって立ち上がったのが日本保守党。ですから、一緒にやるという選択は基本的にはない。ただ、お話があったときは検討はする」と話した。 重ねて「仮に(日本保守党と政策が近い)高市早苗氏が首相になっても組めないのか」とも問われたが、有本氏は「あまりにも仮定の話がすぎる。ちょっと答えられない」と答えるにとどめた。◆LGBTQ理解増進法賛成を機に自民批判へ
街頭で支持を訴える有本香氏=10月24日、東京都千代田区で(由木直子撮影)
今年4月の衆院東京15区補選では公認候補を擁立。9人が名乗りを上げる大混戦で、自民党の公認・推薦候補がいなかったこともあって4位につけ、一定の存在感を示した。 今回の衆院選では、消費税率の引き下げのほか、旧宮家との養子縁組を可能にする皇室典範改正などを掲げ、支持拡大を図った。百田氏は政見放送で、小泉純一郎元首相や「NHKから国民を守る党」の立花孝志党首の決めぜりふを真似て「自民党をぶっ壊す!」と訴えていた。◆総裁選で高市早苗氏が敗北「自民党は左派になった」
日本保守党を実際に支持しているのは、どのような人たちなのか。選挙期間中の10月22日に、京王線の聖蹟桜ヶ丘駅(多摩市)前で行われた有本香氏の街頭演説を見に行ってみた。 有本氏が改憲や消費税減税、保守的な移民政策などを掲げ、「一人でも多く、私たちの仲間を国会に送り込んでいただきたい」と呼びかけるたびに、100人を超える支援者が熱心に拍手を送っていた。当選確実となり、支援者から水をかけられる河村たかし氏=10月27日夜、名古屋市で(今泉慶太撮影)
長年、自民党を支持していたという40代の男性に話を聞いた。この男性は、9月の自民党総裁選で、高市早苗氏が石破茂氏に決選投票で敗れたことについて「自民党が『左派』『リベラル』になってしまった」と指摘。「嫌気が差し、日本保守党を支持するようになった」と語った。 2021年の総裁選には安倍元首相の後ろ盾を得て立候補した高市氏は、右派的なスタンスで岩盤保守層の人気が高い。一方、石破首相は旧安倍派を内閣や自民党執行部から排除したことに加え、安倍氏を「国賊」と呼んで党の処分を受けた村上誠一郎氏を総務相に起用して、かつての安倍応援団から強い反発を受けている。 「もともと百田さんの小説のファンで、今年の春くらいから(日本保守党を)支持するようになった」と語った50代の女性は、「前は安倍元首相を支持していたけど、今はお金の問題もあって支持する気になれない」とも話した。 鄭重声明:本文の著作権は原作者に帰属します。記事の転載は情報の伝達のみを目的としており、投資の助言を構成するものではありません。もし侵害行為があれば、すぐにご連絡ください。修正または削除いたします。ありがとうございます。