日米比首脳の共同文書「共同ビジョンステートメント」の要旨は次の通り。
【総論】
一、日米比は自由、民主主義、人権の尊重、法の支配という基本的価値、自由で開かれたインド太平洋と国際法に基づく国際秩序というビジョンを共有。
一、太平洋島嶼国を支持。日米豪印のクアッド、米英豪のAUKUS(オーカス)、日米韓の枠組みを歓迎。
【経済】
一、経済的威圧に強く反対し、対応で緊密に連携。ルールに基づく経済秩序の重要性を強調。
一、マニラなど要所を結ぶ「ルソン経済回廊」を立ち上げ、投資を加速。
一、初の「日米比サイバー・デジタル対話」開催。
一、半導体サプライチェーンを確保。比の人材育成に日米が協力。
一、比での再生可能エネルギー導入、民生用原子力計画で協力。
一、重要鉱物のサプライチェーンの強靱化へ協力。
【海洋・安全保障】
一、国際法に整合的な形で排他的経済水域内における国家の主権的権利を尊重する重要性を強調。
一、南シナ海における中国の危険かつ攻撃的な行動に深刻な懸念。埋め立て地形の軍事化、不法な海上権益に関する主張を懸念。海上保安機関、海上民兵船舶の危険で威圧的な使用と他国の海洋資源開発を妨害する試みに断固反対。
一、中国による比船妨害に深刻な懸念。セカンド・トーマス礁(アユンギン礁)を比の排他的経済水域内と決定した2016年の仲裁判断の順守を要求。
一、東シナ海の状況に深刻な懸念。尖閣諸島(沖縄県石垣市)に対する日本の長く平穏な施政を損なおうとする行為を含め、中国による力または威圧による一方的な現状変更の試みに強い反対。
一、台湾海峡の平和と安定の重要性を確認。
一、日米比の海上保安機関が今後1年以内にインド太平洋で合同訓練を実施。「日米比海洋協議」を立ち上げ。
【北朝鮮】
一、拉致問題の即時解決を含む人道懸念に対処する重要性を強調。
(ワシントン 永原慎吾)
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