国会議事堂=平田明浩撮影

 自民党が安倍晋三総裁の下で政権復帰した2012年衆院選で初当選した「安倍チルドレン」は今回、公認・非公認合わせて64人が出馬したが、比例復活を含め当選できたのは46人だった。初めて経験する逆風をしのぎきれず、当初119人いた勢力は今回大きく議席を減らして4割弱まで減少した。

 落選や不出馬となったのは14、17、21年の各衆院選では毎回十数人だったが、今回は26人に上った。過去4回の衆院選で大勝してきた自民は、与党の公明党と合わせても過半数を割る敗北を喫し、歴代最長を記録した第2次安倍政権による「安倍1強」時代の終わりを印象付けた。

 再選された46人のうち、小選挙区で議席を守ったのは30人、敗北しながら比例復活での当選が15人、比例単独も1人いた。

 12年初当選組は自民への追い風の下で初当選し、不祥事の多さから期数を重ねるごとに「魔の○回生」と呼ばれてきた。失言、女性問題、金銭トラブル、秘書への暴言など枚挙にいとまがなく、政治家としての資質を問われる場面も多くあった。一方で党勢が大きく傾かなかったことにも助けられ、21年衆院選では72人が4回生に「進級」した。

 しかしその後も、収賄や公職選挙法違反、未成年との飲酒報道などで離党や議員辞職が相次いだ。派閥の政治資金パーティー裏金問題を巡っても、約4800万円の不記載があった池田佳隆元衆院議員が政治資金規正法違反(虚偽記載)で逮捕・起訴された。

 裏金問題に関与したとして、今回の衆院選で公認や比例重複立候補を認められなかったのは13人。このうち、非公認の小田原潔(東京21区)、細田健一(新潟2区)、三ツ林裕巳(埼玉13区)の3氏と、比例重複のない義家弘介(神奈川16区)、山田美樹(東京1区)両氏ら4人の計7人が落選した。【池田直】

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