議員に支給される政務活動費(政活費)の不正使用を防ぐためのマニュアルの作成状況を採点する「全国市民オンブズマン連絡会議」の2024年調査で、愛媛県が全国最下位となった。オンブズマン連絡会議は「どこのマニュアルも議員の主観的な判断を許すザルのようだ。今回の衆院選のように、国民は政治家の金に対する姿勢を見ている。客観的な指標として活用できるよう再検討してもらいたい」としている。
調査は47都道府県、20政令市を対象に初めて実施。24年7月にマニュアルを入手し、飲食を伴う会合の参加費の支出を議員の主観を許さない形で禁じているか▽生計を一にする親族、自身や親族が役員を務める法人への支出をどう規制しているか▽ガソリン代の取り扱い――など計7項目について採点した。
ほとんどの項目で適切な制限を設けていない愛媛県は100点満点中の5点で、埼玉県とともに全国ワーストの46位だった。審査したオンブズマン連絡会議の担当者は「全国的に、議員が政務活動費だと主張すれば認められる傾向にあるが、愛媛は突出している。マニュアルが存在する意味が無い」と指摘する。17年度の政活費の一部に違法な支出があったとして、当時の県議3人に一部返還を求めた訴訟の判決が24年3月に松山地裁であり、中村時広知事に約260万円の返還を求めるよう命じた。原告と県側の双方が、判決を不服として高松高裁に控訴している。
愛媛県議会事務局は今回のランキングについて「(オンブズマンが)独自の基準でやっているのでコメントを差し控えたい」としている。
四国では、徳島県が45点で東京都と並び全国1位だった。香川県は30点で7位、高知県は23点で18位だった。また、オンブズマン連絡会議が公表した24年度の「政務活動費の情報公開ランキング」でも、愛媛は43位で四国4県では最下位。高知10位▽徳島19位▽香川34位――だった。【広瀬晃子】
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