衆院3補欠選挙(東京15区、島根1区、長崎3区)は28日、投開票される。自民党派閥の政治資金パーティー裏金事件後、初の国政選挙。自民が公認・推薦候補を出すことができず、野党系や諸派、無所属の新人・元職9人が争う東京15区(江東区)は選挙戦最終日の27日、各候補らが声をからして支持を求めた。大勢は28日深夜に判明する見通し。(太田理英子、長竹祐子)

27日、候補者の演説に拍手を送る聴衆=東京都江東区豊洲で

◆候補者「古い政治と決別を」「政治家は自らえりをただす必要」

 買い物客ら大勢の人が行き交う江東区の東京メトロ豊洲駅周辺では、各陣営が次々に演説。男性候補は「国会で闘うための立場を与えてほしい」と訴えた。  女性候補は多くの地方議員らに囲まれながら「古い政治と決別し、まっとうな政治を実現していきたい」と力説。別の女性候補は「今の政治家は民間なら逮捕される案件でも逮捕されず、自らえりをただす必要がある」と強調した。

◆有権者「政治とカネ、流れ変えて」「暮らしを良くして」

 15区補選は公選法違反事件で柿沢未途前衆院議員=自民党を離党=が辞職したことに伴う。3歳の子と演説を聞いていた会社員長田真紀子さん(47)は期日前投票を済ませたといいつつ「選挙はお金がかかる。不祥事での選挙は税金の無駄遣い。いいかげんにしてほしい」とぼやいた。  自民支持者という会社員木下雄貴さん(35)は「今回は選ぶのが難しい。まずは政治とカネの問題の流れを変えてもらいたい」と話した。年金暮らしの野崎令子さん(83)も「年金生活者にとって物価高はつらく、暮らしを良くしてほしいが、誰に入れたらいいのか分からなくて」と迷った様子だった。  東京都選挙管理委員会によると、26日時点(投票日2日前)の期日前投票者数は4万707人で2021年衆院選の同時期より2万2815人少ない。   ◇

◆東京15区の立候補者は

 東京15区に立候補したのは届け出順に、
・諸派「NHKから国民を守る党」新人の弁護士福永活也氏(43)
・無所属新人でファーストの会副代表の乙武洋匡氏(48)=国民民主、ファーストの会推薦
・参政党新人の看護師吉川里奈氏(36)
・無所属元職の元環境副大臣秋元司氏(52)
・日本維新の会新人の元江崎グリコ社員金沢結衣氏(33)=教育無償化を実現する会推薦
・諸派「つばさの党」新人でIT会社経営の根本良輔氏(29)
・立憲民主党新人で共産、社民党の支援を受ける元江東区議の酒井菜摘氏(37)
・諸派「日本保守党」新人で麗沢大客員教授の飯山陽氏(48)
・無所属新人の元総合格闘家須藤元気氏(46) 

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