紅海でイエメンの親イラン武装組織フーシ派に取り囲まれる貨物船。2023年11月20日に公開された(フーシ派メディアセンター提供、ロイター)

先進7カ国(G7)交通相会合が11日、イタリアのミラノで開幕した。イエメンの親イラン武装組織フーシ派が紅海で商船などを相次ぎ攻撃している問題などを踏まえ、国際的なサプライチェーン(供給網)の強靱(きょうじん)化などを議論する。最終日の13日には閣僚宣言を取りまとめ、供給網確保に向けた作業部会設立で合意する見通しだ。

日本からは斉藤鉄夫国土交通相が出席。議題となる供給網の強靱化について、斉藤氏は「昨年6月に三重県志摩市で開催した交通相会合での協議の内容を土台にさらに議論を深めたい」と意欲を示す。

■運航コストが急上昇

アジアと欧州を結ぶ航路では、世界の多くの船が大動脈である紅海とスエズ運河を経由するルートの航行を取りやめている。アフリカ大陸南端の喜望峰を回るルートへの切り替えにより、国際海運全体で運航コストと運賃が急上昇している。今年2月には臨時のG7交通相会合を開き、「強く非難する」とした閣僚宣言を採択した。

今回の会合では設立する作業部会にこうした地政学的リスクへの対応ほか、サイバー攻撃や自然災害への対応、デジタル化など、供給網の強化に向けた取り組みをどこまで盛り込めるかが焦点になる。ほかにも、ウクライナの交通インフラ支援や気候変動、脱炭素化に向けた各国の協調についても議論する予定だ。(万福博之)

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