国民民主党が週内に予定している自民党や公明党との政策協議で、2024年度補正予算案などへの反映を求める具体策の原案が6日判明した。国民民主関係者が明らかにした。所得税がかかり始める「年収103万円の壁」の解消に向け、年末調整による勤労者への直接補塡(ほてん)などを行うべきだとした。
8日に国民民主の浜口誠政調会長が、自公の政調会長らに案を提示し、それぞれ個別に協議する見通しだ。
「103万円の壁」への対応として、年末調整による補塡のほか、壁越えによる手取り収入減対策をする企業を政府が支援する「年収の壁・支援強化パッケージ」拡充などを求める。
ガソリン税を一部軽減する「トリガー条項」の凍結解除や電気代、ガス代の引き下げも要求。地震や豪雨で被災した能登半島の復旧・復興に向け、体育館へのエアコン設置▽災害救助法で対象外となっている災害公営住宅の用地費・造成費支援▽能登国立公園内の被災設備の復旧費に対する災害対応特例の適用――なども必要だとした。
国民民主は6日、要望項目とりまとめのための会合を国会内で開催。玉木雄一郎代表は会合で「抜本的な改正は税制改正などを伴うが、前倒しで補正対応できるものについてはエネルギー価格の高騰対策も含め、速やかに一つ一つ実現につなげていきたい」と述べた。【古川宗、安部志帆子】
103万円の壁とは?
所得税がかかり始める年収103万円の課税基準のこと。超高所得者以外が対象の基礎控除(48万円)と、給与額に応じて一定額を差し引く給与所得控除(55万円)の合計である103万円を超える年収になると、所得税の支払いが生じる。
年収105万円のパート従業員の場合、控除分の103万円を差し引いた収入2万円に対し、所得税5%分(1000円)が課税される。
税や社会保険料の負担が生じて手取り収入が減り、パートやアルバイト従業員の働き控えにつながる「年収の壁」の一つとされる。
所得税の支払いだけでなく、103万円を配偶者手当の支払い基準とする企業もあることから、意識して就業調整する世帯もある。年収の壁には、他にも企業規模などに応じて社会保険料がかかり始める「106万円の壁」や「130万円の壁」がある。
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