自民党との幹事長会談などを受けた記者会見で質問に答える国民民主党の玉木雄一郎代表=衆院第1議員会館で2024年10月31日午後3時49分、平田明浩撮影

 国民民主党が週内に予定している自民党や公明党との政策協議で、2024年度補正予算案などへの反映を求める具体策の原案が6日判明した。国民民主関係者が明らかにした。所得税がかかり始める「年収103万円の壁」の解消に向け、年末調整による勤労者への直接補塡(ほてん)などを行うべきだとした。

 8日に国民民主の浜口誠政調会長が、自公の政調会長らに案を提示し、それぞれ個別に協議する見通しだ。

 「103万円の壁」への対応として、年末調整による補塡のほか、壁越えによる手取り収入減対策をする企業を政府が支援する「年収の壁・支援強化パッケージ」拡充などを求める。

 ガソリン税を一部軽減する「トリガー条項」の凍結解除や電気代、ガス代の引き下げも要求。地震や豪雨で被災した能登半島の復旧・復興に向け、体育館へのエアコン設置▽災害救助法で対象外となっている災害公営住宅の用地費・造成費支援▽能登国立公園内の被災設備の復旧費に対する災害対応特例の適用――なども必要だとした。

 国民民主は6日、要望項目とりまとめのための会合を国会内で開催。玉木雄一郎代表は会合で「抜本的な改正は税制改正などを伴うが、前倒しで補正対応できるものについてはエネルギー価格の高騰対策も含め、速やかに一つ一つ実現につなげていきたい」と述べた。【古川宗、安部志帆子】

103万円の壁とは?

 所得税がかかり始める年収103万円の課税基準のこと。超高所得者以外が対象の基礎控除(48万円)と、給与額に応じて一定額を差し引く給与所得控除(55万円)の合計である103万円を超える年収になると、所得税の支払いが生じる。

 年収105万円のパート従業員の場合、控除分の103万円を差し引いた収入2万円に対し、所得税5%分(1000円)が課税される。

 税や社会保険料の負担が生じて手取り収入が減り、パートやアルバイト従業員の働き控えにつながる「年収の壁」の一つとされる。

 所得税の支払いだけでなく、103万円を配偶者手当の支払い基準とする企業もあることから、意識して就業調整する世帯もある。年収の壁には、他にも企業規模などに応じて社会保険料がかかり始める「106万円の壁」や「130万円の壁」がある。

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